海洋立国論

勉強のつもりで書いています。

戦争プロパガンダとガンダムー(1)ギレン・ザビ

名作アニメ「機動戦士ガンダム」でジオン公国の実質的指導者であったギレン総帥。

声優の銀河万丈さんの名演技もあり、その演説はアニメ史上屈指の名演説だと思います。

ストーリー中で弟である「ガルマ・ザビ」が戦死しますが、その際の国葬で演説し弟の死でさえ国威発揚のために利用しました。

ネット上でもこの部分だけを取り上げた動画がアップされており、人気の高さが伺えます。

 

また、逆襲のシャアクワトロ・バジーナシャア・アズナブル)も、ガンダム0083でのエギーユ・デラーズも、同様に演説を行っています。(次回以降に)

 

過去にも簡単に書いたのですが、プロパガンダとは特定の思想や世論に誘導したり、行動を起こさせたりするものとされています。政治・宗教・思想教育・心理操作などありとあらゆるものが含まれています。

国策や政治の世界だけでおこなうものだけでは無く、ありとあらゆるものを含みますが、最近では主に悪い意味で使うことが多いようですが、戦時においてはそれは戦争プロパガンダとなり、かつてのナチスドイツの宣伝相ゲッペルス「十分に大きな嘘を頻繁に繰り返せば、人々は最後にはその嘘を信じるだろう」と語っており、ヒトラー「簡潔なテーマを繰り返し感情に訴える」ことが重要であると語っています。

 

多くの研究者がプロパガンダについて研究していますが、今回は【戦争プロパガンダ10の法則】(アンヌモレリ著・永田千奈訳・草思社)の中で例示されている10の法則が、ギレン・ザビ総帥の演説にどれだけ当てはまるか検証したいと思います。

 

10の法則とは

(1)我々は戦争を望んではいない

  (和平のために最大限努力した)

(2)敵側が戦争を望んだ

  (だから防衛のためやむを得ず戦うのだ)

(3)敵の指導者は悪魔のような人間だ

  (敵の顔の具体像を描かせて憎しみを煽る)

(4)領土や覇権の為ではなく偉大な使命の為に戦うのだ

  (知性・論理ではなく倫理観や感情に訴える)

(5)我々は意図しない犠牲を出すことがあるが敵は故意に残虐行為に及んでいる

  (敵は野蛮であり、我々、文明人が野蛮人へ制裁を加えるのだ)

(6)敵は卑劣な兵器や戦略を用いている

  (敵はアンフェアで非人道的兵器を使うなど卑怯な戦いをおこなっている)

(7)我々の被害は小さく敵に与えた被害は甚大である

  (人は勝者の立場を好む)

(8)芸術家や知識人も正義の戦いを支持している

  (感動を呼び世論を動かすことのできるのは役人ではない)

(9)我々の大義は神聖なものである

  (倫理的正当性を訴え国民の支持を得る)

(10)この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である

  (愛国心が足りないと評されマスコミなどによる攻撃の対象となりえる)

 

 の10か条が挙げられています。

 

では、その演説(国葬時)です。

 

 ▼==繰り返し感情に訴える==▼

我々は一人の英雄を失った。これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!

▼==法則7==▼

地球連邦に比べ我がジオンの国力は30分の1以下である。にも関わらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か!諸君!我がジオンの戦争目的が正しいからだ!これは諸君らが一番知っている。

▼==法則1・3・4・9==▼  

我々は地球を追われ、宇宙移民者にさせられた!一握りのエリートが宇宙にまで膨れ上がった地球連邦を支配して50余年、宇宙に住む我々が自由を要求して、何度連邦に踏みにじられたかを思い起こすがいい。

▼==法則9==▼

ジオン公国の掲げる人類一人一人の自由のための戦いを、神が見捨てる訳は無い。

▼==繰り返し感情に訴える==▼

私の弟、諸君らが愛してくれたガルマ・ザビは死んだ、何故だ!

新しい時代の覇権を選ばれた国民が得るは、歴史の必然である。 ならば、我らは襟を正し、この戦局を打開しなければならぬ。我々は過酷な宇宙空間を生活の場としながらも共に苦悩し、錬磨して今日の文化を築き上げてきた。 

▼==法則5==▼

かつて、ジオン・ダイクンは人類の革新は宇宙の民たる我々から始まると言った。 
しかしながら地球連邦のモグラ共は、自分たちが人類の支配権を有すると増長し我々に抗戦する。 諸君の父も、子も、その連邦の無思慮な抵抗の前に死んでいったのだ!

▼==繰り返し感情に訴える==▼

この悲しみも怒りも忘れてはならない!それをガルマは死を以って我々に示してくれたのだ!我々は今、この怒りを結集し、連邦軍に叩きつけて初めて真の勝利を得ることが出来る。この勝利こそ、戦死者全てへの最大の慰めとなる。

▼==法則4==▼

国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ国民!我らジオン国国民こそ選ばれた民であることを忘れないで欲しいのだ!優良児たる我らこそ人類を救い得るのである!

▼==簡潔なテーマ・スローガン==▼

ジーク・ジオン!!  個人的には最後の一行で胸アツ('◇')ゞ

 

どうでしょうか。

ヒトラーの言う「感情」に繰り返し訴えかけてもいますね。

 

 プロパガンダはなにも「保守」「右派」に限る話ではありません。「リベラル」「宗教」「メディア」「テロ集団」ありとあらゆる分野で行われるものです。

プロパガンダを行う側は人間の心理や行動原理をよく理解したうえでおこなわれるものですから、惑わされず真贋を見極めるのは非常に困難です。

少なくともそのような社会に生きている事を理解しておく必要はあると思います。

 

次回は個人的に好きなエギーユデラーズデラーズフリート)にするとかしないとか。

安全のコスト

多極化する世界

北朝鮮の緊張が最高潮に達した時、政府は検討を続けていたイージスアショア(地上配備型イージスシステム)の配備を決定し、設置候補地の自治体への説明を開始しましたし、部隊の創設や組織の改変、DDH(ヘリコプター搭載護衛艦)の空母化の検討、長距離滑空弾や長距離ミサイルの研究及び導入など、自衛隊の重武装が進展しています。予算規模はそれほど増えていないにも関わらず、やりくりは大変そうですが、アメリカの傘に入っていればよかった冷戦時代とは異なり、世界は多極化してきており不安定的要素が増えてきていますので、仕方が無いのかもしれません。

 

マクロ的安全保障の視点

装備・武装を強化しておくことの意味は簡単に言えば以下のようになります。

1.我が国が敵対的な国家(もしくは不安定な国・組織など)による、武力による威嚇や恐怖を感じる。

2.その国が地政学的に近距離にあって武力侵攻が可能な距離であり、侵攻する能力がありまたその意志を否定できない。

3.我が国が相対的に強力な装備・武装があれば相手国はより強力な装備がなければ侵攻ができない。特に四方を海が隔てており、障壁の機能を果たすため、攻撃側はさらにコスト高になる。

4.攻めて得る利益より損失が大きければ攻めを躊躇するか諦める

5.正攻法より搦め手を考えたほうが良い

ま、島嶼部の占領などについては当てはまるでしょう。

 

これをガラッと変えてしまうのが「核」や「長距離巡航ミサイル」。

具体的には

1.南西諸島などを電撃的に武力侵攻し上陸。実際に中国の戦力投射能力は高まっている。

2.自衛隊が航空・海上優勢を確保しようと進出

3.自衛隊を退かないと、弾道ミサイル(核・非核は公言せず)を発射すると威嚇。中国の弾道ミサイルは日本のどこでも命中させられる能力を保有している。

4.上陸部隊が対空対艦能力を構築し、接近阻止を図る。

5.武力による奪還を自衛隊は選択できない。(安易に接近できないうえ、核による威嚇をされる)

6.既成事実化させ自国に編入し実効支配。

7.在日米軍の来援も威嚇によって接近を阻止する。

8.東シナ海の小さな島の取り合いにアメリカはどこまで関与するか?

 

核弾頭を装備した弾道ミサイルで日本を狙い恫喝したのが北朝鮮米朝会談後融和ムードだが、ムードだけで実際に非核化されたわけではない。(中国は一部の軍関係者以外はそれほど公言していないが、軍事的には北朝鮮以上の脅威であることは事実)

 

従来は十分な対抗手段が無かった我が国ですが、それをガラッと変えてしまうのが、弾道ミサイル防衛システム(BMD)で、そのひとつがイージスアショア。

※イージスアショアについては割愛します。過去記事(イージスおさらい)はこちら

ロシアが配備に反応していますが、嫌がる事は効果的な証明ですので、軍事的に中露が嫌がる事はやりましょう ( *´艸`)

 兎に角、前述の1~3をおこなったとしても3は通用しないかもしれません。

さらに、日米安保条約5条の適用になりかねず米軍に来援され、万一エスカレーションしたら米中紛争になりかねず、それは中国経済にも大打撃。(人民解放軍は米軍や自衛隊と異なり政府の統率が完全には利いていないような行動にでることがある)

幸いにもマティス米国防長官は日米同盟重視であり、この点は中国も軽視できないでしょう。

 

==閑話休題==============

ロシアはワールドカップ効果でなんだかいい雰囲気ぽく放送されてますが、私個人としてロシアはシリア・ウクライナで散々悪さしてますから信用していません。それとロシア女性は美人だけど、プーチン大統領は顔が怖い。

何度も言いますが、北朝鮮も「軟化」したっぽい雰囲気で、報道でも扱いが優しくなった印象がありますが、世襲の独裁国で核保有で実際に威嚇して国内は恐怖政治で国民飢えてて兄ですら殺害してますからね。

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地上配備の利点

自衛隊イージス艦弾道ミサイル迎撃能力を概ね付与されてはいますが、(改修中もあり)艦艇はその他の任務や乗員の上陸・休息、補修・点検などもありミサイルの監視だけに使う訳にはいきません。そもそもイージス艦は対潜対空などの任務を多用途に行うことのできる高性能艦であり、弾道ミサイル防衛だけに張り付けるのは能力の無駄遣い。訓練もままならず練度の低下が心配されます。

また米海軍もイージス艦日本海や太平洋側に張り付けて監視をおこなっていますが、米海軍にとっても運用に余裕がある訳では無く、同じように負担となっています。(おまけに事故で2隻修理中)

その点、地上配備型なら、8時間勤務で3交代で監視できますし、地上ゆえ保守も行いやすく運用コストは低コストで済みます。イージス艦1隻には300名程度(艦により異なる)が必要ですが、イージスアショアなら12名程度。3交代で36名として2基設置で72名。これで24時間365日監視し、万一の際には迎撃できるのです。実際には休日の代替要員、基地警護などもあるのでもう少し多くなるでしょうが。防衛省は1基当たり100名規模で検討しているようです。

システムは2基で2000億円の予定ですが、イージス艦に搭載しているレーダーとは違う新型のレーダー(SSRロッキードマーチン社製・探知距離1000km)を採用するようですし、導入するミサイルも開発コストが上昇していますので、5000億円になるとも言われてますが。

イージスアショアを設置したら狙われる!と言いますが、ミサイル防衛ができなければ、相手はもっと低コスト・低リスクの方法も採用できる可能性が広がりますし、重要インフラや都市、他の基地に狙いを変えるだけです。イージスアショアの設置自治体に直接ダメージが無くても国家へのダメージには変わりがありませんので間接的にダメージを負うのは地方です。

SM-6ミサイルも配備すれば、巡航ミサイルにも対抗できます。

ただ導入予定の新開発の迎撃ミサイル「SM-3ブロック2A」の迎撃試験結果は思わしくはありません。試験を重ね導入予定時には迎撃率を高めて欲しいですね。

また、東シナ海での中国の不当な進出に関与し抑止したければ、南シナ海での米英豪仏印などとの協調的な活動(航行の自由作戦への参加、演習)や今回派遣するDDH-184「かが」の派遣など国際協調路線をとる必要があります。その為には柔軟にイージス艦を運用できなければなりません。

これは我が国にとっても重要な南シナ海では巻き込まれの恐れが増えますが、東シナ海では巻き込むことができる可能性が高くなります。結果的に抑止力が高まります。

中国は軍備(大型駆逐艦・空母・その他船艇・戦闘機)を絶賛大増産中。西太平洋を自国の権益とし自由に利用したいのは、習金平が高らかに宣言。軍組織も改変しまさにシーパワー大国としてアメリカに取って代わろうと言うのか、アジアでの覇権国になろうとしているのか。それとも弱腰な態度(国際協調)をとったら政権を追われるからなのか・・・

 因みにこのうちの日米豪印をQUAD(Quadrilateral:4)と呼びますが、この4か国とASEAN東南アジア諸国連合:加盟10か国)との協力関係も強化されてきています。先の大戦では資源を求めて南方に進出しましたが、現代では協力関係を築いています。

 

コストと安全

軍事支出と民間支出は負の相関(因果関係ではない)があることが知られていますので、如何に低コストで効果的な防衛を考えていくかは大切な問題ですが、「脅威無き軍事支出と軍事支出無き脅威は国家の成長を阻害する」とも言われています。つまり「脅威がある時の軍事支出は経済を成長させる」し「脅威がない時の軍事支出は富の創出を奪う(銃を作るかバターを作るか)」し「脅威のない時には軍事支出を抑えれば豊かになる(平和の配当)」となりますので、バランスが難しいところですね。

 かといって強度の脅威となると、「安全保障のジレンマ(ゲーム理論)」でのナッシュ均衡が「軍拡競争」となり、結果的には互いが疲弊することになります。米ソ冷戦時にはソ連が崩壊しました。勝利した米国は軍事支出を抑制することができて、経済が好調になりました。

そのようにならないように脅威はコントロールしなければなりません。脅威度を高めない工夫として、国際的な枠組みや同盟、一般的には互いの富を増やす貿易なども並行しておこなわなければなりませんね。敵対的だからと言って「敵視」のみするのも、対話だと言って「丸腰」になるのも極めてバランスを欠いた行動です。

 

軍事行動は「能力」がある者が「意図」を持ったとき発生します。「能力」は武力と経済力、政治力などが揃ってこそです。「意図」は容易に変わりうるものですが、「能力」の構築には長い時間がかかります。 その点を見誤ってはいけないのでしょうね。

 

 

 

 

南シナ海は波高しなのか

中国の国力増大に伴い、海洋進出が目覚ましくなっていますが、最も注目されているのは「南シナ海」でしょう。南シナ海のせめぎ合いについて整理しておこうと思います。

 

2013年12月、中国はスプラトリー諸島(中国名:南沙諸島)の埋め立てを開始しました。(占領そのものは1988年より)2015年末までに13万平方キロメートルを埋め立て、「ビッグスリー」と呼ばれる3つの岩礁(スービ・ファイアリークロス・ミズチーフ)には3,000m級滑走路を整備。

その後インフラ整備が進み、対空ミサイル(紅旗9型か)対艦ミサイルを配備、通信設備、兵舎、格納庫、軍港などを建設。最近は駐留兵士の家族の為なのか小さな街が建設され、滑走路にはY-8輸送機(軍用機)の離発着がおこなわれるなど、急速な軍事拠点化がすすんでいます。

各国海軍が周辺海域へ展開したり、アメリカ海軍が当該島嶼の近海を航行し圧力をかけているにも関わらず、中国の姿勢は変化しておらず「中国軍の軍事プレゼンス」は高まっていると言えます。

 

 しかし、この地域は「係争地」であり以前から周辺国が領有権を争っている地域です。

南シナ海を取り囲む国は、中国・台湾・ベトナム・フィリピン・マレーシア・ブルネイシンガポールですが、そのうちのフィリピン、台湾、マレーシア、ベトナム岩礁を埋め立てて1980年代までに軍用機が発着可能な滑走路を既に持っており、軍事要塞化しています。中国が最後発で滑走路を建設しました。

このように中国以外の国々も滑走路の建設、港などのインフラ整備は以前より行い、それなりの実効支配をしていますが、中国の開発は急速で大規模なことと、周辺国に比べて圧倒的な軍事力を持っている事、領域支配の主張が不明確な歴史的根拠に基づく事であり、中国政府の説明「民間船・航空機の避難などの民生利用、また最低限の自衛的処置である」との主張を周辺国やアメリカ・日本が信用できないことにあります。

 

中国も国内政治的には政権安定の為に「人民解放軍」を味方につける必要がありますが、その人民解放軍の考え方は、2011年に馬暁天総参謀長の論文にある「戦略的チャンス期で積極的に大いに振舞うことで発展できる」との考えです。

また、世界2位の大国として超大国アメリカへの挑戦国の位置にたったことは、国民に自信を植え付けました。

一方で2010年の共産党国務委員の論文では「先頭に立たず覇を唱えず求めないことが戦略的選択であり、平和発展こそが国是である」としています。この論文は中国国内メディアが報じたのにも関わらず、人民解放軍機関紙は報じませんでした。微妙な距離感があるのでしょうか。

ただでさえデモ・暴動で苦しめられている国内世論を纏める為には「大国らしく振る舞う」事が必要であり、それが周辺国には強圧的な態度となっているのでしょう。

 

中越戦争を戦ったベトナム、完全な支配を目指す台湾、フィリピン、シンガポールなどの中小国に対して遠慮はできない意思表示表れなのかもしれませんが、アメリカが航行の自由(FONOP)作戦の実施を強化した事への対抗処置もあるでしょう。

 

中国・フィリピン間での南シナ海仲裁手続きは、中国側の全面的「負け」という結果に終わりましたが、中国は「公平でない」ことを理由に裁定を拒否しています。

しかし、これは中国にとって国際的にはネガティブな結果であり、対抗処置としてこれを覆すだけの事実を積み上げるしかありません。もし、関係国と政治的破たん状態になった時には、他国はこの裁定を名目として中国を国際的に非難できるうえ、連携して中国を取り囲むことに利用もできるからです。

 

一方では軍同士の偶発的な衝突を避けるための枠組みやルール作りも進められており、米中間では「洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準」に基づいた各種ルールの合意や、相互通報制度の設置など各種の危機管理をおこない、コントロールする努力も続けられています。リスクコントロールの取り組みの一端です。

また、国際ルールを学んできているのか、近頃の中国海軍はやや紳士的な振る舞いがみられることもままあるようです。

日米豪仏英などの海軍艦艇が南シナ海を通航する時や、アメリカ海軍のFONOP実施の際にも抑制の利いた警告、視認可能で衝突回避可能な10kmの距離を保ったままの追尾などの事例もあります。

一方隔年で開催している国際的な演習であるリムパック演習では過去2回参加していますが、国際ルールを無視したような振る舞いが問題視され今回の演習には招待されませんでした。アメリカの対中姿勢がトランプ政権後に強硬になってきていることも関係あるのではないでしょうか。

 とはいえ、周辺国に脅威を与えている事は間違いなく、中国は今後も経済的利益を得るためにはアメリカへの挑戦を続けることになるのではないでしょうか。

ボーダーラインはスプラトリー諸島の飛行場への戦闘機の配備とみています。対艦ミサイルや対空ミサイル配備の良い訳はできても、明らかに攻撃兵器である戦闘機の配備は緊張を一気に違うレベルへ引き上げる恐れがあります。

しかし総じて南シナ海においては「高いレベルの緊張状態」ではあるものの、係争国や日本、アメリカまども交えた事態をコントロールする努力も続けられていますので、我々はあまり感情的にならず相手の手法や事情を理解しつつ、この問題の各国の対処方法や立場を東シナ海尖閣諸島)で利用するぐらいのずる賢さや視野が欲しいものです。

 

 

 

病院船マーシー寄港しましたね。

東京湾アメリカの病院船「マーシー」が寄港しました。
以前(2017.8)に病院船について取り上げましたが、追記し再掲します。

「病院船」という船をご存知でしょうか。主に海軍によって運用される文字通り「病院機能を持った船」です。写真のように国際的な戦争時の決まりである、ジュネーブ条約によって以下の要件(抜粋)が定められた船のことを言います。
今回寄港した「マーシー」は、およそ全長272m排水量7万トンの元・タンカーであった巨大船でアメリカ海軍所属。

 

平成25年8月31日に尾鷲沖で、海自の輸送艦「しもきた(LST-4002)」を用いて、南海トラフ地震発生後36時間後を想定し、実証訓練を行っています。
26年度にはカーフェリー「はくおう」、護衛艦「いずも(DDH-183)」等も訓練・試験に使用され調査をおこなってています。
内閣府(防災担当)は、この機会を捉え16日に一般見学会、19日にシンポジウムを実施します。(申し込みは締め切り)

今回の寄港は病院船導入に向けて弾みをつけるでしょうか。

 

病院船の要件は
1.船体は白色 2.赤十字の表示 3.非武装 4.軍事活動の禁止 5.係争国への通知

となっており病院船への攻撃は「戦争犯罪」となり禁止されています。

アメリカ海軍はタンカーを改修した大型の病院船を2隻保有し西海岸と東海岸に配備しており、米軍の軍事作戦への従事は勿論、ハイチ地震人道支援団体への医療支援活動などを実施し、米国民のみならず捕虜に対しても治療活動を実施して成果をあげています。

中国もアメリカほど大型ではないにしろ、高性能な病院船を運用しており、大規模災害発生時は勿論、平時でも島嶼部や医療の不備な地域への派遣など中国の存在感をアピールするためにも運用されています。中国海軍の海外での評価は実は高いのです。

さて病院船に必要な機能とはなんでしょうか。
1)災害時に派遣する場合、着岸(波止場へ横づけ)できない場合もあるため、傷病者の搬送に必要なヘリデッキを持つこと。
2)高度な医療機器の装備、入院設備を相応の数が装備されていること。
3)潤沢に淡水を供給できる能力があること
4)荒天時でも動揺を抑えられること
5)長期間の従事になるため居住性がよいこと

などがあげられます。この為、高機能で大型の船になり建造費、維持費とも高額になります。

日本でも阪神大震災の時に検討が始められましたが、その時は大型輸送艦おおすみ型」の就役など、ある程度に必要な機能を持つことができる艦船の就役、そして自衛隊法改正により「邦人輸送」が可能になった事などから、輸送、宿泊、医療の機能はこれらで対応可能と判断されました。

その後東日本大震災が発生し平成24年4月「病院船(災害時多目的)の建造推進、超党派議員連盟」が発足し、5月に政府に要望書を提出しました。
それに基づき、調査費が予算計上され「災害時多目的船(病院船)に関する調査検討報告書」が内閣府・防災担当から提出されました。類型を3型に分類し検討されています。

ざっくりと整理してみます。

1.総合型病院船・・・急性期~慢性期の医療を総合的に受け持つ。入院機能あり。72時間以内に被災地へ到着し患者はヘリコプター搬送を行う。災害拠点病院の機能を持つ。

2.急性期病院船・・・72時間以内に被災地へ到着し患者はヘリコプター搬送を行う。急性期の応急処置を行い、その後に拠点病院へ搬送する。

3.慢性期病院船・・・被災地内の病院も被災しているので慢性疾患患者の対応のための機能を持つ。1週間を目途として到着し近辺に着岸し活動する。

報告書ではそれぞれについて「医療装備」「船舶装備」「要員数」「費用」について検討し各種諸元を設定しています。隻数は2隻としておりそれらから生じる「問題点・課題・法律上の制約」を整理しています。また代替案についても検討されています。

詳細は省きますが、結論としては「建造~運用コストがかさむこと、転用がしにくいこと、オペレーション上の問題が山積していること、人員確保の点でも容易でないこと」
また海外派遣には「海賊船対処」などの問題もあるとして新規導入よりも既存の艦船(民間船・自衛艦など)に医療モジュールを搭載するなどで対応することがいいのではないか。と纏めています。

個人的には「病院船」は海外派遣時に派遣先の国に着岸して医療行為をするということは、世界への貢献のみならず、相手国への相当なアピールに繋がり日本の地位を高める一助になると思うのですが。報告書ではそのあたりにはあまり触れておらず、もっぱら内向きな事情が語られています。「島国根性まるだし官僚の報告書」で世界を見ていないと断罪したいくらいです。

お金の問題だけに絞って考えると、建造費は最大で350億円、年間維持費は最大20億円(一隻あたり)と見積もっています。

 

防衛費について考えてたら・・・

普段は可能な限り「論理的」に書いているつもりですが今回は思いつくままに書こうと思います。

 

北の委員長は国民を虐げたり身内でも殺害するし、核は保有し「落とすぞ!」と恫喝するし、決していい奴ではないぞ。最近なんだか「あれ?想像と違うぞ?」となっているけど、いつも言うように、それは「映画版・ジャイアン理論」だから。日本の地方の県くらいのGDPなのにその大半を軍事に使えばそりゃ国民は飢えるぞ。

 

おそロシアでは政権批判したジャーナリストは消されるし、もう50人くらいかもっと多いかも。周辺国が気になるのはわかるけど、シリアやウクライナでも傍若無人ぶりを発揮したのに「なにもやってない」って知らんぷりするし、本心は北方領土は返す気無しなのに経済交流はしたいとかどの口が言うのかね。昔の話を持ち出すけど、占領時に民間人を多数虐殺したり、満州侵攻時には捕虜をシベリアで強制労働させ多数死亡させたし。一応かっこだけでも選挙して大統領を選ぶだけマシなのか?

 

五星紅旗の国では反体制派は「汚職」を名目に死刑になったり、人権派弁護士は投獄するし、天安門事件は歴史から消すし、「皇帝」になるつもりなのか任期は無期限やし、(プーチンでさえ”一応”任期あるぞ)東シナ海を勝手に自国に組み込む宣言と埋め立てと軍事基地化を堂々とするし。そもそも最初は「調査目的」とか言ってたくせに。そういや空母「遼寧」も買い取った時には「海上カジノ」にすると言う言い訳だったでしょうが。専門家は誰も信じて無かったけど。日中中間線でのガス田開発はどーなった?勝手に掘られてガスは持ち逃げ。まぁ、採算割れするんで日本が及び腰なのはわかるが、あれで日本相手にサラミスライス戦略で領土拡張が可能だと思わせてしまったわな。まぁ、「平和目的です」と嘘ついて「軍事利用」「領土拡張」が常套手段。この国の言うことを信じてる人がいるのが信じられない。

 

イアンフガ―!と五月蠅いお隣では、大統領辞めたら罪人だし、竹島は不法占拠したうえ漁民を拿捕・殺害したし、基地化していってるし、朝鮮戦争後は米軍に駐留してもらって安全担保してるのに、中国の腰ぎんちゃくだし。そのくせイージス艦保有するし、最近は原子力潜水艦を購入しようとしてるし。近海での作戦が主なくせに何に使うつもり?想像しただけでも対北朝鮮だけではないな。(まぁ半島国家の悲哀は理解せんでもないが)周りはこんな国ばっか。

 

 

その周辺を認識してるのか?と言いたくなるような野党の体たらく。如何に国家を安定させ安心安全を担保するのかをもっと議論すべきなのに。それは経済・外交・文化・そして軍事もセットでしょ。北の委員長がトランプ大統領に会ったのは、やはりアメリカは「でかい拳骨」を持ってて、「いつ振り下ろすか判らない」から。と言うのも一理あるでしょ。優秀な野党があってこそ与党が緊張感を持って政治をおこなうのだとしたら、現状では損をするのは国民。

日本にはなぜか「専守防衛」という実際は実現不可能な政治的枠組みが。現代の兵器事情や周辺国の様子を見て、「専守防衛」なんてできると思います?銃剣で突撃する時代じゃないんですよ。情報・輿論をコントロールし有利に下地を作り、いざと言うときには遥か彼方から、ミサイルが飛んでくるんですよ。レーダーの覆域圏外からね。ミサイルが落とされるまでは核か非核か区別つかないものをありますし、迎撃数を上回る数を撃たれたら被害は確実。それを撃たれるまで撃てないでは、自衛隊があまりに可哀想だ。もう安価な無人機・無人船が群れでやってきて攻撃可能な時代。数が多いし兵士の命のコストがないから、攻撃の閾値が低くなってるのに。

ハッキリ言うと一部の政治家・国民揃って「自衛隊員は死んでもいい」と思ってるとしか思えん。国民を守ってくれるのは自衛隊だが、自衛隊を守るのは国民なんですよ。国民の理解と支持によって。

 

仮想敵国がロシアであるEUですら国防費は増加傾向だったり、増加の議論もでているのに、ロシアのGDPの10倍以上のGDPを持ち、戦略的に有利な広大な国土を持つ中国や、独断でなんでも実行可能な北朝鮮、西組か東組か判らない韓国が背後にある日本が防衛費GDP比1%なんて三木内閣(1976)の決めた枠組みという昔話に執着して、中曽根内閣(1986)の時に撤廃したはずなのに、いまだに捉われつづける自民党がバカじゃないだろうか。しっかり議論し国民に説明し理解を得る努力を十分してますか?

 

安全保障の費用は環境によって変わるのが普通に考えても判る。そして国家の資産や資本力に応じて費用は増減すべき。

ただし、安全になれば大胆に削減できるかといえばそうはいかないのが防衛費。防衛に関わる装備や人員、練度すべて時間がかかるので、いざ桶狭間!になってからすぐに揃えられない。一旦増やすと減らしにくい。

だから増減も質や種類も熟慮すべきなんだが、「シビリアンコントロール」と言う言葉が好きな野党議員の熱い議論は聞いたことが無い。自民党はまだましで、政務調査会・国防部会などでちょっとくらいは議論し提言している。アメリカの会計検査院なんて、装備の中身までグイグイくる。無駄遣いをしっかりチェックしてる。その結果、最強ステルス戦闘機F-22、海中無双のシーウルフ級潜水艦でさえ、計画途中で調達中止させられたし。これこそ「シビリアンコントロール」の一例で、某議員に暴言を吐いたとされる「自衛隊士官」を恫喝することではないでしょ。

 

自動車保険だって初心者の時から40歳代が安くなり、高齢者は高い。事故リスクに応じて保険料も変わる。それにクルマの価格に応じて車両保険も変わるでしょ。

GDP3位の日本はどう見ても「お金持ち」にあたる。(個人レベルの実感の有無の話なんてしていない)高い技術も行き届いたインフラもある。(細かい重箱の隅をつつくような批判する人もいるけど)でもその国の周りには冒頭で書いたような国がある。防衛費はその観点からこそ議論すべき。1%云々なんて「率」に捉われてる時代はもう終わりにしましょうよ。

そして装備は適切か、外交によって補完できる部分はないのか、緊張緩和の為にできる文化交流などはできないか、米軍との関係はどうすすめるのか、不埒ものには力の外交をする決意を固められるのか、その為に憲法・法律はどうあるべきか、国論を二分するような大議論をしてこそ先進国でしょうに。

戦争での死者の数は戦争の抑止に繋がっていない。第二次世界大戦で日本は310万柱を数えたが、ソ連は2000万人なのだ。でも戦争・紛争をやめていない。残念ながら人命は暴力の抑止力として働かないのだ。どの国にも個人的には良い人っていっぱいいるでしょうけどね。

 

「米軍でていけー!」と叫んだり「日本最強!」と根拠のない夢想してる暇があるなら、四方を海に囲まれ四季美しいこの国を、どうやって誇り高く子孫に残していくのかをこそ私は描きたい。

 

あーちょっとスッキリした。

見て欲しいですね。

海上自衛隊の動画です。(海上自衛隊公式広報ビデオ2018/5/24公開)

30分以上ある長いムービーですが、海上自衛隊の任務が紹介されています。

しかし、本当はもっと多くの職種があり、海に出るだけじゃないんですけどね。

このムービーを全編ちゃんと見てそれでも自衛隊違憲だ!と言う人はどうかしてる。

 

www.youtube.com

 

トム・ハンクス主演の映画で「キャプテン・フィリップス」(2013年・134分)という映画があります。ソマリアの海賊にシージャックされたコンテナ船と船長、人質となった船長と米海軍との駆け引き。

無法な暴力には圧倒的で法に則った武力で毅然と対応する姿が描かれています。

 

陸海空自衛隊はこのソマリア沖・アデン湾における海賊対処にも派遣されています。

CTF151(多国籍部隊・第151合同任務部隊)の司令官は2015年より自衛隊が担っています。

海賊対処・民間船護衛・漂流者救助など任務は多岐にわたっており、一時は年間千名以上もの海賊による民間船乗り組み員の拘束がありましたが、2014~2016年は0名、2017年は39名と激減しています。

直接感じるものでは無いかもしれませんが、国民の安全をこうして守ってくれています。

原子力潜水艦がいいな・・・(1)

以前にも書いたのですが、私は「空母保有」については基本的に反対です。

それよりも・基地の抗堪性強化・早期警戒機の増勢・潜水艦戦力の増勢が優先であろうと考えています。そのうえで原子力潜水艦の配備が最も効果的であると考えていますが、我が国では空母保有以上にハードルが高いですね・・・

 

今回はなぜ原子力潜水艦(以下:原潜)が効果的であるかを考える前に、まずは現状を整理します。

・日米同盟下での海上自衛隊の基本的役割とは

  a シーレーン海上交通路)の安全確保

  b 有事の際の米軍来援基盤の維持

つまりはこの2点であり、その為の防衛力整備に注力してきました。確かに軍事組織であるが故の自己完結性を活用して災害派遣に、機動力を活かして離島からの急患輸送、軍隊であるが故の南極への輸送任務や流氷観測などの任務も実施していますが、あくまで主任務は上記2点であり、他国の領域への軍事侵攻や侵略、威嚇などは行いませんしその能力もありません。

四海に囲まれ、資源の輸入も製品輸出もすべて海を超えなければならない日本は間違いなく「海洋立国」であり、アルフレッド・セイヤ―・マハン(1840-1914・米海軍・戦略家)が提唱した「シーパワー」が必要な国であり、地政学の基礎となった、マッキンダー(1861-1947・英地理学者)は、日本をシーパワー大国とみなしていました。

資源確保は国家運営の基礎であり、安全保障上最重要項目と言えます。

先の大戦では日本が資源獲得の為におこなった南部仏印(フランス領インドシナ)への進駐は米英の経済制裁(対日石油輸出禁止など)に繋がり、日本国内の早期開戦論に勢いを与えたことで戦争回避が不可能な状態へと進みました。

資源の多くが通過するシーレーンとは海上交通路と訳されますが、ある国家にとって経済・軍事面で極めて重要なルートのことです。

日本の生命維持にとって重要な原油を運ぶシーレーンは、ホルムズ海峡を出てアラビア海を通りマラッカ海峡ロンボク海峡(これらをチョークポイントと呼びます)などを通過、南シナ海を経て日本へやってきます。石油などのエネルギーは生命線であり、これを干しあげられるとどうにもなりません。特にチョークポイントを抑えられるとどうにもなりません。

つまりシーレーンの確保は国家の安全保障上、最重要と言えます。

 

海洋国たらんとする中国の意図

中国は貿易など経済面でも日本とは深いつながりがあります。また、日本には本国以外では最大の戦力を置いている在日米軍があります。正面からの武力による侵攻や威嚇は日米中での全面戦争の引き金にもなりかねず、自国にも大きな損失を与えることになります。偶発的な事態から戦争に発展すること(エスカレーション)を避けるための連絡メカニズムなどの構築もされており、大国間での全面戦争はまず起こりません。マスコミや一部の人の危機を煽るような論調には同意しかねます。

しかし、中華思想と言われるように中国は世界の中心であろうとしているのは多くの事例から認めざるを得ないですし、中国にとっての安全保障観からすれば、アメリカと太平洋の出口である日本が邪魔で仕方がありません。

長期間をかけて南シナ海を自国の保護海域とし、アフリカ諸国などの小国を中華マネーでコントロールし、米海軍を自国沿岸から遠ざける装備体形を整えてきました。

また、2003年中国中央軍事委員会において採択された「三戦(輿論戦、心理戦、法律戦)を駆使してきました。

もし、我が国の尖閣諸島で武力紛争が発生し、日本が自衛権を発動した時、中華マネー(旅行者や投資など)を日本から撤退させるでしょう。それは一部の日本国民・企業が反発するでしょう。そうなれば領土(例えば尖閣)を放棄して中国と和解する政治家も多く出るでしょうし、政府も妥協するかもしれません。

これはハーバード大教授ジョセフ・ナイ(1937-)が提唱する「ソフトパワー」の行使の二段階モデルと言われるものに相当しています。つまり相手国の国民等への働きかけなどにより、エリートの決定に間接的に影響を与えようとしています。現代ではSNSやメディアを通じてのプロパガンダフェイクニュースも活用しています。シリア問題に対するロシアが好例ではないでしょうか。

あとはアメリカを追い出す(もしくは遠ざける)だけです。

その為に、南シナ海戦略原潜の聖域とし、新型中距離弾道ミサイル(DF-26・射程4000km核非核両用)を配備し、沖縄の在日米軍やグアムの米軍にプレッシャーをかけています。第一撃を避けつつ反撃を期するには米軍はグアムより遠方に遠ざける必要がありますし、そうなれば東シナ海での軍事行動がやりやすくなります。日米は軍事同盟の最重要課題である「即応性」が失われることになります。軍事同盟は「即応性」「双務性」がなければ成立(信用)できません。

米軍を追い出すには日本国内の反米感情を高める必要もあります。基地問題に乗じる手もありますし、オスプレイを取り上げる方法、SNSでローカルな事件事故を拡散する方法、一見エビデンスがあるようなデータを列挙し不安をあおる方法・・・あの手この手を使います。軍隊と言うのは相手国の信用や良好な関係がなければ駐留しにくいものです。

世界中でパワーバランスや安全保障環境が30年前とは大きく変わっています。日本は独自の安全保障観とドクトリン(基本原則)や法整備と防衛力整備を急がなければなりません。

==次回につづく==