海洋立国論

勉強のつもりで書いています。

抑止論

安保三文書ー平和を考えた

安全保障において良い戦略とは、自国に有利な状況を作ることによって、戦争という破滅的な状態を回避するものであるので、戦争が生起した時点で最良の戦略とは言えない。平和な状態では無くなるからだ。 ただし戦争に勝つ事の重要性が低くなるわけでは無い。…

ロシアによるウクライナ侵略についてまなぶべきこと

まず大きな点は「核抑止力」は効いていると考えられる点。ロシアの侵攻が思うように進まず何度か「核使用」を暗に匂わせる言動をとっているにも関わらず使用していない事実があります。 ただし、抑止が効いているのかどうなのかは証明ができないので、あくま…

中国を舐めたらアカン!

戦前の世界(欧州)は軍事的にバランスを取る勢力均衡によって平和を維持し、第二次世界大戦で日本とドイツという挑戦国を退けたのちアメリカは、日独を同盟国として取り込んでロシアに対抗しバランスをとってきました。 広大な国土ゆえに戦略的に縦深性が高…

アメリカは中国の脅威に対抗する

アメリカは中国の脅威に対抗する事を決意したように思えます。 興味深いレポートが2つあります。 ひとつは、米国国防長官府が出した年次報告書の「米国議会への中華人民共和国に関わる軍事・安全保障上の展開2018」であり、もうひとつはアメリカのシンクタ…

軍事力の使い方の分類

「軍事力」と言ってもその使い方がいくつかに分類されています。今回はそのうち「抑止」「強要」を概観します。 多くの研究がされており言葉の定義やその範囲など細かな点では不一致がみられるものの、大まかにはほぼ同じようですが、この分野では2005年…

ルールオブエンゲージメント

戦いのルール ルールオブエンゲージメント(Rules of Engagement・以下ROE)とは、いわゆる交戦規程と言われるものです。(自衛隊呼称は部隊行動基準) これは軍隊などがどのような事態の時にどう行動するのか、武器使用はどこまで認められるのかなどを詳細…

安全のコスト

多極化する世界 北朝鮮の緊張が最高潮に達した時、政府は検討を続けていたイージスアショア(地上配備型イージスシステム)の配備を決定し、設置候補地の自治体への説明を開始しましたし、部隊の創設や組織の改変、DDH(ヘリコプター搭載護衛艦)の空母化の…

欲しいもんめっちゃ買う。

選択肢が無い国政選挙が行われるのがこの国の最大の不幸だといつも思います。 一昔前なら「戦争をする気か!」と社会党あたりが大騒ぎしていたんでしょうが、現在の野党は全く力不足。「もりかけ」で個人攻撃してる暇があったら、現状をちゃんと勉強して分析…

安全を守る「安全保障のジレンマ」

前回の同盟のジレンマに続き今回は「安全保障のジレンマ」を取り上げます。 「安全保障のジレンマ」は経済学のゲーム理論で有名な「囚人のジレンマ」というモデルを応用したものです。 例えば日本が自衛の為に自衛隊の強化や能力の拡大をする、日米の同盟関…

安全を守るジレンマ「同盟のジレンマ」

衆議院が解散され選挙が近づいてきました。近年は争点として「安全保障」がとりあげられることも多くなったように思います。個人的にはたまには任期いっぱいで解散をみてみたい(-ω-) 今回は安全保障の大きなテーマである「同盟のジレンマ」についてです。も…

核の効能

前回、かなりおおざっぱに、核兵器の歩みを取り上げましたが、ではなぜ核兵器(とその運搬手段)はこれほど必要とされているのかということになります。 名目は「抑止」です。核兵器は変わった兵器で「相対性」がありません。どういう事かというと、例えば同…

抑止力の分類

「抑止力ガー!」と最近報道でよく耳にしますね。 では抑止とはどのようなものなのでしょうか。 大別して現在は3種類あるとされています。懲罰的抑止と拒否的抑止と報償的的抑止です。 懲罰的抑止とは、「やられたらやり返すぞ。戦争を始めたら受けて立つ。…