海洋立国論

勉強のつもりで書いています。

祝! NORAD Tracks Santa (サンタ追跡)は今年で50周年!

サンタさんの季節ですね。

 

サンタさんはいったいどこを通って世界中の子供たちにプレゼントをとどけているのでしょう。我が家の子供たちはすっかり大人になってしまいましたが、小さな子供たちにとっては大きな疑問のはずです。

 

それに大真面目に答えてくれているのが、北米航空宇宙防衛司令部(通称NORAD、ノーラッド)という米軍の組織。

NORADアメリカとカナダが共同で運用する国防組織で北米地域の警戒監視を行のが主な任務で、司令部はコロラド州コロラドスプリングスピーターソン空軍基地にあります。(写真はGoogleストリートビューで見られます)

 

通常はレーダー網と衛星などで弾道ミサイルや不審機などの監視活動をおこなっていますが、その能力はサンタ追跡にも役立てられています。(建前だけど)

 

今年のサンタの追跡には以下の装備が活用されました。

 

航空機

E-3セントリー早期警戒管制機、通称AWACS)・ボーイング社製

旅客機を改造し機体上面にお皿のような巨大なレーダーを取りつけた飛行機です。レーダー波は電波ですから高い位置からのほうがより遠くを探知できます。

サンタが地平線の向こうでも追跡可能でレーダー情報は機内のコンピュータで処理され、監視任務に役立てたり、艦船や基地などへ送信されます。

 

F-15イーグル (戦闘機・制空)・ボーイング社製

航空自衛隊も使用している名機。

長い間最強戦闘機として君臨していました。大出力のエンジンと頑強な機体で、ほとんど撃墜されたことが無いのが自慢な戦闘機です。格闘戦(空中戦)では未だにトップクラスでしょうし、派生型も多く作られています。

 

F-16ファイティングファルコン(戦闘機・多用途)・ロッキードマーティン社製

F-15よりもずっと安価で運用もしやすく世界中でバカ売れした戦闘機。

航空自衛隊F-2戦闘機の原型機ですが、F-2は当時の最新技術で魔改造したため最早別物と言えるかも。しかし、それだけ基礎設計が優れていたということでしょう。

 

F-22ラプター (ステルス戦闘機・制空)・ボーイング社、ロッキードマーティン社共同開発

言わずと知れた世界最強と謳われたステルス戦闘機。

同じステルス機でも最新のF-35よりさらにレーダーに捉えられにくいほどの高ステルス性を誇りますが、あまりの機密事項の多さに米軍でのみ採用され輸出はされませんでした。

 

CF-18 (戦闘機・多用途)・F/A18ホーネットのカナダ仕様

原型のF/A-18は映画TOPGUN-マーベリックーでトムクルーズが操縦するシーンがCMででていましたが、米軍で重宝されている戦闘攻撃機

A型~F型など多くの型式がありますが、A~D型は「レガシーホーネット」E~F型は「スーパーホーネット」と区別されるほど大きく異なります。

 

衛星群

DSP衛星

静止軌道(高度約36,000km)上の、DSP衛星(Defense Support Program Satellite) も任務についています。主に赤外線センサーによる探知をおこないますが、通常任務は弾道ミサイルなどの発射時の熱を探知することですが、サンタの熱源はそれほど巨大なようですね。現在試験中だったかの低軌道で監視するSTSS衛星Space Tracking and Surveillance System)なら、飛行するミサイルの弾頭を追跡できるらしいので、サンタもトナカイも熱源だし、高速で大気圏内を飛行しているなら摩擦熱が発生するので追跡はさらに容易になりますね。

 

SBSS衛星

高度630Kmの低軌道を周回するSBSS衛星(Space Based Space Surveillance)は光学センサーによる監視をおこないます。24時間ずっと観測し(1日平均15,000回)で、1㎥のサイズまで捉えます。

 

その他

NORADのレーダ網による監視もおこなわれています。データはGoogleなどがサービスで提供したりしていますが、特設サイトも開設されます。クリスマス以外は休みなサンタさんですが、勤務中は高度なネットワークで勤務状態を監視されています。

 

最近、中国やロシアが衛星破壊実験を成功させたと発表していますが、サンタ追跡の衛星は破壊しないでね。

中露の狙いは「ネットワーク中心の現代戦ではアメリカに勝てないので、その土台となる衛星を破壊しネットワークを壊す」ことですが、

サンタ追跡を妨害すると世界中の子供たちが敵に回りますよ。