名前は大事
北朝鮮が騒がしくなっているせいで近頃ニュースでよく聞く、イマイチ意味が分からないという兵器をざっとひらっておきます。
●巡航ミサイル原潜「ミシガン」
元は「戦略原潜オハイオ級2番艦」で、核弾道ミサイルを搭載し核報復能力の一翼を担っていました。冷戦の終結に伴い改修され「巡航ミサイル(タクティカルトマホーク)」を154発搭載しています。
弾道ミサイルを格納していた発射管を改修し、1基の発射管に7発ずつ搭載しています。(写真がネットでも公開されています)
写真もそうですが、姿を見せることで相手国を威圧する行動をしています。今回は釜山に寄港しましたが、北朝鮮への威嚇でしょう。全部で4隻あり太平洋に2隻、大西洋に2隻が通常の配備のようです。
●F/A-18Eスーパーホーネット
主力艦載機(空母に載せる航空機)で、戦闘攻撃機。マルチロールとも言います。(空中戦も地上攻撃も行う。純粋な制空戦闘機は減りました)
搭載可能な爆弾やミサイルなどの武器(兵装)は多様で最大8トンほど搭載可能。末尾が「F」のものは複座型。米空母には40機ほど載っていますが、8トン×40機で一度に320トンもの爆弾が・・・因みに太平洋戦争で有名なB-29の搭載量は約9トン。時代を感じます。飛行機はエンジン出力で決まりますねぇ。
旧型機にF/A-18ホーネットというのがあります。これは「レガシーホーネット」と呼ばれる旧型機。名前も姿も似ています。能力は劣りますが現役です。
●EA18Gグラウラ―
スーパーホーネットを元に作られた電子戦機。見方の航空機や艦船が敵レーダーに発見されたり、ミサイルで攻撃されないようにするため、レーダー電波やミサイルの出す電波を妨害したりする為の航空機。自分自身も戦闘を行えます。この電子戦能力ではアメリカは最先端です。
艦種の区分は明確な国際基準などがある訳では無いのですが、一般的には各種ヘリコプターなどの航空機、兵員、上陸用の船艇(LCAC/ホバークラフト)などを搭載する艦船です。広大な船内空間を利用し他用途に使えます。見た目は空母そっくりです。(全通甲板を持っているので似てくるのは当然)このところ名前を聞くのは、米軍の「マキン・アイランド」(満載排水量およそ4万トン)や、先ごろ自衛隊と共同訓練もした仏軍の「ミストラル」(満載排水量およそ2万トン)。
ある意味、軍艦のマルチロール化されたものです(揚陸艦+輸送艦+軽空母+病院船)
全通甲板を持っているという事は非常に便利で効率的なんですね。海自でも検討段階。
●イージスアショア
艦船に搭載しているC4Iシステム(イージスシステムなど)SPY-1レーダー、Mk41垂直発射システム(VLS)、SM-3ミサイル、電源などをまるごと陸上運用するもの。イージス艦では十分な運用(試験)が行われているだけに信頼性は高い。
さきごろ「導入の検討を急ぐ」と報道がありましたね。北のせいで金がかかります。
ミサイルも現行のブロック1A(自衛隊)から新型のブロック2Aにアップグレードすれば、今回の北朝鮮の射高2000kmにも対応可能。