海洋立国論

勉強のつもりで書いています。

大国の夢

中国はアメリカと2か国で世界のルールを作ろうとしています。

政府高官のそのような発言は過去に沢山あり、意志は明確であるのは確かです。オバマ米大統領と習主席との会談でも 「太平洋は、中国とアメリカの二国が活動するのに、十分な広さがある」 名言しています。日本がこんな事を言ったらどうなるんでしょう?大騒ぎでしょうね。

 

さて、中国には鄧小平時代に軍事上の概念として登場した地図上の線に「第一列島線」(沖縄・尖閣諸島南シナ海)「第二列島線」(伊豆諸島~小笠原~サイパン・グアム)があります。

第一列島線の内側は「核心的利益」(戦争も辞さない絶対に譲らないライン)とし、第二列島線は自国の安全保障の為に進出する必要のあるラインです。

背後にソ連があった時代は、中国の脅威(仮想敵国)はソ連であったため陸軍国として陸上戦力に注力していましたが、ソ連が崩壊しロシアとなった今軍事的脅威は減少しました。

 

代わりに米国が脅威となってきたのです。

第一、第二どちらの列島線上には日本もあり、オーストラリア、シンガポールには米軍基地があり、囲まれています。

資源確保には第一列島線の獲得、米国の接近阻止のためには第二列島線までの進出が必要なのです。シーレーンの確保も含めその為の装備と訓練をしています。

 

空母保有もその一環です。遠い地域に戦力投射するには「空母打撃群」が必要であることは、台湾海峡危機で身を持って知っています。

また、南シナ海周辺の軍事力の小さな国は、「中国・空母打撃群」のプレゼンスは脅威であり、恫喝することで南シナ海を自由に使えるようになるでしょう。それが戦力的には小さなものであってもです。

 

米国は未だ最強国であるのは確かですが、その差は徐々に縮まっています。ネットワーク能力で中国を遥かに凌駕しています。

しかし衛星やネットワークに過度に依存しているとも考えられ、軍事的弱点がそこにあるかもしれませんし、その点の突破も中国は目指しています。

有事の際に米国の軍事ネットワークをウィルスなどを使っての破壊や、人工衛星をミサイルで破壊するなども実験しています。オーストラリアのダーウィン港の租借権を得たり、全地球ネットワークのための独自衛星網の構築も急いでいます。

南シナ海でやっているような「力での現状変更」は、到底許されるものではありませんが、クリミア半島はそれが実現しています。