海洋立国論

勉強のつもりで書いています。

韓半島有事

まずは北朝鮮の現状をみてみましょう。

・液体燃料を使ったミサイル中距離弾道弾「ムスダン」、西日本攻撃に「ノドン」、射程延伸型「スカッドER」など多様なミサイルを保有し同時発射も可能

・固体燃料系の「北極星1型」「北極星2型」の発射試験もおこなった。固体燃料は扱いが難しいが即応性が高い

・着弾地点を調整するための技術も保有。着弾点を調整するため「ロフテッド軌道」での発射も試験済み

・TELという移動発射車両を多数保有している

・核実験も実施し威力も大きくなっているが、核弾頭にする為の小型化の技術レベルは不明

・目標は在日米軍と明言しているが米本土はまだ攻撃できないレベル

つまり、各種ミサイルを複合して同時発射し、ある程度狙った場所へ複数を落とせるという事です。また移動発射のための車両も保有しており、発射前に破壊は困難です。

これに「北極星」系統のミサイルが搭載されれば、山中などにTELを隠し衛星などによる探知を避け、巡航ミサイル空爆などの攻撃をかわしつつ突如として発射できます。

狙いは勿論日本です。(在日米軍基地・自衛隊基地・原発・港湾など)

ソウルは国境に接しているため、ミサイルは使用せずとも大量のロケット弾、砲弾を撃ちこめば攻撃可能ですし、ミサイルより数が多く迎撃されにくい。既に測的(距離などを測定すること)などの射撃前の準備は必要ないほど準備はできていますから、命令一つでソウルは戦場となります。

これを防ぐため、米軍が先制攻撃するとします。(予防攻撃

いくらアメリカとは言っても北朝鮮に一発の反撃も許さず、金正恩氏を殺害し全ミサイルを破壊はできません。イラク戦争などがその証明です。私は北朝鮮イラクの比にならないほどの困難があると思っています。イラクは砂漠が多く偵察による発見も容易ですが、北朝鮮は山間地も多いのです。

もし、一気に北朝鮮の戦闘能力(特に核・ミサイル)を完全に破壊もしくは掌握できなかった場合、韓国には北朝鮮の地上軍と特殊部隊が侵入し地上戦となります。

在韓米軍は反撃し食い止めて時間稼ぎをしますが、その後に準備を整えた在日米軍も支援に向かいます。

北朝鮮とすればそれを阻止すべく38度線を超えると同時に、各種ミサイルで攻撃します。日米はイージス艦日本海側に配備しSM-3ミサイルで弾道弾を迎撃します。現状ではイージス艦といえども全ての脅威に対応できる訳ではありません。対応できる数に限度があります。それを超える攻撃(飽和攻撃)をされたら対処できません。(米軍では徐々にその能力をつけていますし、自衛隊も一部が予算化されましたがこれについては回を改めます)

トランプ米国大統領と習金平中国主席の会談が間もなく行われます。

アメリカは中国に「北朝鮮をなんとかせよ。さもなくば武力行使もありうる」「北朝鮮に攻撃をする場合には中国に傍観するよう要求する」「これに乗じて東シナ海南シナ海で混乱を起こさないように求める」などと迫るでしょう。

勿論中国は反発します。隣の韓国にTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)を配備したことで、(実は迎撃用ミサイルそのものに反対しているのではなく、THAADのための高性能レーダーによって自国の空域が監視される恐れがあるためです。)神経を尖らせているうえ、北朝鮮有事の際は韓国の政情不安も相まって自国に難民があふれ出すのではないかと危惧しています。

アメリカは自国に難民が流入する事も無いため、中国にとっては極めて身勝手な言い分と思えます。

アメリカの安全保障の都合で、北朝鮮難民が中国に入り騒動を起こすのは割りにあいません。

引き換えに「一つの中国」政策の継続、「新たな大国関係の構築」「航行の自由作戦の中止」など条件にするのでしょう。

また慰安婦(少女)像問題の進展がなにもないまま、3カ月ぶりに長嶺駐韓大使が帰任しましたが、これはこのあたりの情報収集や邦人保護、韓国との連絡調整も見越しての帰任に思えます。

米軍は岩国基地に最新鋭の早期警戒管制機「E2-D」と最新鋭の戦闘機「F-35B」を配備、それを運用可能な強襲揚陸艦「ワスプ」を第七艦隊所属としましたが、このタイミングはステルス機であるF-35で北朝鮮のレーダーを掻い潜りピンポイントで攻撃する可能性があるということかもしれません。(ワスプは秋ごろに佐世保へ来る予定)

このような状況の時、相変わらず「豊洲」と「森友」で盛り上がっている我が国のノンビリ具合には驚きます。

戦争を身近に感じないのはある意味我が国の誇りですが、危機が迫っていてもこれでいいのでしょうか。いつも言いますが「意志」があり「能力」を持ったときには・・・