海洋立国論

勉強のつもりで書いています。

(番外編)「シン・ゴジラ」 ~ネタバレ注意~

人に勧められたことと、家内が観たいと言ったので先日「シン・ゴジラ」を観てきてんけど、まぁ映画はエンターティメントであるので、その感想としては、十分面白かった。
ゴジラの目が可愛くなっちゃったことと、昔と違いゴジラを絶対悪的な表現をしていた事が新しい点やなと。

しかしこれでは「オレ様的」解説ではないので、「オレ様的」に解説してみようではないの。

つまりは軍事的にどうなの?って事ですわ。
映画の演出意図とかは全部無視しての話。

1.ゴジラ対策に「防衛出動」は不要。
 災害派遣で対処可能です。この点については自民党石破茂議員が答えています。 また災害派遣での武器使用も過去に前例があり魚雷まで使用しています。

2.上陸し海に戻る時の対応
 映画ではあれほどの巨体が海に戻ったあとで、海上自衛隊がロストしますが、現実にはありえません。生物?なので海中を泳ぐか海底を歩きます。ソナーは確実に補足しますし、あの海水を沸騰させるほどの「熱源」は確実に探知できます。衛星でも追いかけられるんじゃね?

3.上陸作戦は愚の骨頂
 我が国は都市部が海岸沿いにあります。上陸戦は即・市街戦となり戦闘も難しく二次的な損害も大きくなります。ですから自衛隊統合幕僚監部)が立案する作戦も水際での作戦でしょう。

4.戦闘ヘリの登場
 映画ではAH-1Sコブラ AH-64Dアパッチロングボウが登場し最初に頭部への射撃を行います。コブラは20mmバルカン砲と対戦車ロケットTOWを、アパッチは30mm機関砲とヘルファイア対戦車ミサイルを使用しています。市街戦で全弾撃ち尽くしているのですが、もともと配備数が極めて少ない戦闘ヘリの打撃力は疑問符がつきます。

5.10式戦車、16式機動戦闘車の使用
 10式戦車での行進間射撃が描かれていました。これは高度な射撃で、命中させられる戦車は世界にもそうありません。でもゴジラ相手には不要ではないかと。進撃しながらとか反撃を回避する意味が無い場所での射撃だったので。ま、見ていて楽しいですが。
使用する弾はAPFSDSで貫徹力が極めて高い。これで無傷?ないない。もし無傷なら圧延鋼板1000mm相当以上の強度があることに。
16式機動戦闘車は10式の120mm滑空砲よりもはるかに火力の低い105mmライフル砲装備。必要? ま、北海道にほとんどがある90式戦車を持ってこれないとしたらアリなのか?

6.なぜ視界外攻撃をしないのか。
 直接照準で攻撃する必要などなし。相手はレーザーのような直進する兵器で攻撃している。もっと遠距離からミサイル攻撃を最初の選択とすべき。陸自海自空自ともそれぞれ射程150km程度の対艦ミサイルがある。護衛艦の艦砲でも30km以上。映画でも登場したMLRS多連装ロケットで使用するロケットでも射程40kmほど。

今回はこのへんにしとこ。 思いだしたらまた。