そうりゅう型潜水艦と武器輸出
我が国は「武器輸出」を解禁しました。
長らく国内でのみ製造し調達していましたが、現在の兵器
解禁とされたことで我が国と安全保障上、関係の深い国々
我が国以外は既に武器輸出を行う事で関係強化に努めたり
我が国の兵器は非常に優秀で各国が既に興味を示していま
まず、兵器の輸出がなぜ安全保障に資するのか?という事
兵器の運用には訓練設備の導入や訓練自体も必要な為、軍
また定期的な整備も必要となりますし、追加調達も必要で
相手国の状況次第ではライセンスの停止や後継品を与えな
こうなると輸入国は他国のものに乗り換えることとなるの
また、我が国と軍事的に友好関係を作りたい場合もです。
さて、タイトルの「そうりゅう型潜水艦と武器輸出」につ
なんせ4兆円規模の大型受注です。親日政権であった時に
アメリカも「日本製」をオーストラリアに勧めていました
しかし、これにはドイツ、フランスも名乗りを上げており
日本が戦後初の武器輸出(それも先端技術の塊)をするの
オーストラリアは日米豪の環太平洋での同盟国で、海洋進
今は東シナ海や南シナ海での話なので、多分オーストラリ
そもそもオーストラリアは潜水艦建造技術が無く、輸入す
一時は日本が選定されるのではないか?と言われていまし
何故フランスになったのか?を検証します。
オーストラリアの要求・条件としては・・・
1)現政権は親中派であり、中国を刺激したくない。
2)雇用問題もあり国内での建造に拘っている。
つまり技術供与をして欲しい。
3)ただしアメリカは日本を推している。
4)EEZ(排他的経済水域)が広いので、長期間の任務
大型艦が必要だが、最も適した原子力潜水艦の運用能
整備能力が全くない。
5)アメリカは原子力潜水艦は作れても、通常動力潜水艦
ないロストテクノロジー。アメリカからは導入できな
6)オーストラリア首相の訪中時に相当の働きかけがあっ
や、軍港であるダーウィン港の中国による租借など中
よる外交的圧力が強い。
対して輸出側は・・・
1)そうりゅう型は通常動力潜水艦としては最大で静粛性
2)日本は大型兵器の国際取引には素人で、ドイツやフラ
大ベテラン。
3)ドイツ、フランスは設計段階。もしくは計画段階。
4)フランスは原子力潜水艦を通常動力型に変更したもの
日本にはないポンプジェット推進を取り入れた大型艦
静粛性と推進力に優れる。
5)ドイツは設計段階だが、AIP(非大気依存推進)機
燃料電池であるため潜航時の速力が高い。
ただし最新型をダウングレードとしたものを現地生産
と提案。
現行型や他の兵器の輸出実績も豊富でノウハウが豊か
ので、機密保持に関する能力も高いため、自国兵器の
技術漏えいに関しては心配していない。
7)ドイツ・フランスは中国との関係も日本より良好なた
オーストラリアにとっては中国を刺激しない。
8)日本政府は日米豪の軍事的強まりを高めて中国の脅威
したいため乗り気だったが、防衛装備庁やメーカー
(三菱重工・川崎重工など)は、商業的なリスクや
軍事情報の漏えいなどが心配で乗り気でない。
などなどが考えられますが、結果はフランスが選定されま
大型艦であり、設計段階であるためオーストラリア仕様と
まぁもっとも、一発の魚雷攻撃で場合によっては数百人の
その事に気づかない人が多いうえ、「自国製の兵器が他国
(写真は海上自衛隊HPより)