海洋立国論

勉強のつもりで書いています。

大戦機の概要(番外編)

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前回、「零戦」について少し触れました。
先の戦争での航空機で最も有名で開戦初頭には、搭乗員(パイロット)の高い技量も相まって、無敵を誇った高性能機でした。

しかしこのほかにも多くの航空機が生まれたのもこの時代です。現代では考えられない事ですが、機種も多様であり開発側、運用側共に頭をひねった時代です。直接戦闘行動に関わる機体だけでも書ききれませんが、その中でいくつか代表的なものを並べてみましょう。

=海軍=
実は戦闘機は「零戦」がそのほとんどを占めています。型式は11型とか22型や52型など多くあり、その中でも丙型とか甲型とかもう沢山です。
これは零戦が優秀であったため後継機の開発が遅れたこともあり大戦末期まで使われました。

しかし他にも「局地戦闘機雷電(らいでん)」(写真)という機体があります。
零戦と比べると人気はイマイチなようですが、爆撃機迎撃用として開発された機体です。
航空母艦の甲板に離発着する必要の無い陸上機。翼面荷重も大きなため、着陸速度は早く旋回性は悪い。巨大なエンジンのため前方視界も劣悪とされ、搭乗員には人気が無く「殺人機」とまで呼ばれたそうです。
しかし、零戦よりも上昇力、速度ともに上回り一撃離脱戦法を採用できる機体であったようです。

また、末期には「紫電」「紫電改」という局地戦闘機も登場しています。
このころになると海軍には空母はほぼ残されておらず、艦上戦闘機としての開発・製造はされず陸上基地からの運用が主でした。

紫電」「紫電改」は陸軍の「四式戦・疾風」と発動機は同じです。
この機体は川西航空機という会社が作ったものですが、現在は新明和工業として存続しており、海上自衛隊のUS-2飛行艇(世界一の飛行艇です)の製造も行っています。
(US-2については過去にアップしていますが)

元々は「二式飛行艇」というエンジンが4発の優秀な飛行艇や「強風」と言う水上戦闘機を作っていましたのでその系譜とも言えるかもしれません。
新明和工業は現在飛行機以外にも「特装車」(消防車とか・・・ま、フツーのクルマ以外の働くクルマ)を作っており、林業機械車両も手掛けています。

=陸軍=
陸軍の戦闘機は実は多様で、
「一式戦・隼(はやぶさ)」
「二式戦・鐘馗(しょうき)」
「三式戦・飛燕(ひえん)」
「四式戦・疾風(はやて)」
「五式戦(愛称ナシ)」などがあります。
毎年産み出していることになりますね。
それぞれ個性があり、隼は稼働率も高く生産数も多く主に中国戦線で運用されました。
鐘馗は重戦と呼ばれ、大出力の発動機と重武装で上昇力、速力、急降下速度とも速い戦闘機です。反面、旋回半径は大きく航続力は短いのが特徴です。
隼や鐘馗の設計にはペンシルロケットを開発し、後の「ロケットの父」と呼ばれる糸川教授が関わっています。
「探査機はやぶさ」が行ったのが「小惑星イトカワ」であったのは記憶に新しいところですね。

飛燕は日本には珍しい「V型液冷」の発動機を搭載していました。エンジンはドイツ・ダイムラー社製のものをライセンス生産していました。しかし構造が複雑で稼働率も悪くあまり搭乗員の評判は良くなかったようです。
しかし、飛燕の機体は後に発動機を空冷星形の「誉(ほまれ)」(陸軍呼称はハ-45)を搭載し五式戦闘機として再登場しています。

「四式戦・疾風」は大戦機で最も優秀と言われた戦闘機で、速力・旋回能力ともに優秀な戦闘機でした。大戦末期で米軍の戦闘機と渡り合えるのはこの疾風くらいであったと言われています。用兵に関してはダメダメな大日本帝国陸軍ですが、実は航空機の開発に関しては、意外とすっきりしています。

このほかにも先の戦争では多種多様な航空機が計画・開発・試作・製造されています。
今回はせめて愛称がある航空機の名前だけご紹介します。
「烈風」「流星改」「彗星」「月光」「彩雲」「天山」「屠龍」「呑龍」「震電」「彩雲」「銀河」「飛龍」「晴嵐」「烈風」「秋水」などがあります。

(写真は「雷電」)