海洋立国論

勉強のつもりで書いています。

早期警戒機という飛行機

飛行機は現代では非常に重要な戦力です。しかし先の戦争の頃と異なり運用方法は全くと言っていいほど異なります。

例えば戦闘機に関して言うと、零戦に象徴されるように、過去は「空中戦」を行いました。「格闘戦」や「一撃離脱」などの戦法も、結局は目視によって(末期はレーダーもありますが)相手を発見し、接敵(近づき)し装備された機銃で射撃して攻撃を行います。

現代は全く異なります。航空機搭載の主な兵器はミサイルとなり射程も延長され命中精度も非常に高いものです。エンジンも強力な為、多くのミサイル、爆弾を携行できます。また、空中給油を行えば航続距離も延長できます。航空機は攻守にわたり強力な兵器となっています。

さて、「早期警戒機」「早期警戒管制機」と言う航空機についてですが、現代の戦闘機はこの「早期警戒機・管制機」がある意味では司令塔なのです。

まだ私が子供だった頃、ソ連(当時)の戦闘機MIG-25に乗ったベレンコ中尉が函館空港に強行着陸し亡命を求めるという、「ベレンコ中尉亡命事件」が発生しました。
当時の新聞は大騒ぎだったのを覚えています。

最初の段階では航空自衛隊のレーダーは、MIG-25を捉えていたようですが、MIG-25が超低空飛行にうつると地上レーダーから消失しました。

これは地上のレーダーでは地形に影響され、また地平線以下では捉えられないという原理的な問題があるためです。
また、最初の段階で空自はF-4戦闘機をスクランブル発進(緊急発進)させていましたが、このF-4もMIG-25を発見できませんでした。
これはF-4に搭載しているレーダーが地上近辺では地上か敵機か区別がつかず、また自身のレーダー波の反射の影響で「盲目」状態となったのです。(この能力の事をルックダウン能力と言います)

目的が亡命であったので、被害はありませんでしたが、これが攻撃目的ならば?と考えたならば非常に問題です。民間空港にまで侵入を許したのです。これを契機として、防空体制の見直しが始まりました。
そのひとつが「早期警戒機(AEW)」や「早期警戒管制機(AWACS)」の導入が検討され、まずは早期警戒機・E-2Cホークアイが導入されました。

では、どういった航空機なのか?と簡単に言いますと、写真のように機体の上部にでっかいお皿が付いていますね。これがレーダーです。

要するにルックダウン能力の高いでっかいレーダーを積んだ飛行機を飛ばして高度を上げりゃ、遠くまで見渡せるのでレーダーも地形に影響されず良く見えるよね!ってことです。
「低高度での侵入の発見」「通信の中継点」「地上レーダーサイトの代替」などが任務です。
E-2Cは空自で13機運用しているようです。

このような能力に「管制能力」を与えたのが「早期警戒管制機AWACS)」ですが、これと戦闘機との関わりについてはまた。

(写真は海自サイトより)

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