海洋立国論

安全保障・軍事について自分自身の勉強のつもりで書いています。

「かが」と「加賀」~フネの名前~

先日、日本に国賓として来日したトランプ米大統領

最終日に、海上自衛隊保有する最大のヘリコプター搭載型護衛艦・かが(DDH184)に乗艦しましたが、この「かが」という名称は2代目にあたります。

 

艦名の決め方

艦名には一定の規程があり、この規定の正式名称は海上自衛隊訓令第30号・昭和35年9月24日付の「海上自衛隊の使用する 船舶の区分等及び名称等を付与する標準を定める訓令」によって定められ、機動艦艇(一般的に言う護衛艦)は「海上自衛隊の使用する船舶の名称を選出する標準について(通知)」によって同型艦は同系統のものを用いるとされています。

訓令30号の別表には従来なかったFFMという艦種が載っています。(付則・平成30年4月1日)FFMとは海上自衛隊が新たに調達する新型の艦艇です。

 この訓令に則って1番艦を「いずも」2番艦が「かが」と名付けられているのですが、どちらも律令時代の旧国名出雲国」「加賀国」に由来しています。前級の「ひゅうが」「いせ」も「日向国」「伊勢国」です。

帝国海軍時代にも命名基準はあり、旧国名は「戦艦」に名付けました。「大和」「武蔵」「長門」「陸奥」などです。

 

初代・加賀

初代「加賀」も実はもともと戦艦として起工され、途中で解体の危機があったものの免れて航空母艦(空母)「加賀」として昭和3年竣工しました。

空母になぜ戦艦の名前がついたのかというと、空母自体が新しい兵器であることもあって、起工時には命名の明確な規定がなかったこと、途中で戦艦から空母へ艦種を変更した事などがその理由です。

 

この「加賀」は当初飛行甲板が3段になっており、今でもマニアには人気ですし、アニメ宇宙戦艦ヤマトの敵役・ガミラスでは3段型空母が登場しています。この3段は不都合が多くてその後に改装を受け1段だけの全通甲板になりましたが、戦艦からの改装が幸いして船体が幅広いため高い安定性と大きな飛行甲板を持つ就役時から戦争の終盤まで海軍最大の空母でした。

上海事変真珠湾攻撃、南方での作戦に従事しましたが、ミッドウェー海戦で戦没しています。

 

海自の「かが」もヘリコプター搭載型護衛艦から、改修をうけて固定翼機(F-35B)搭載可能な艦になる事を考えれば、なんだかゆかりのようなものを感じます。

イージス護衛艦が「こんごう」「きりしま」「みょうこう」「ちょうかい」「あたご」「あしがら」「まや」など、山岳名。旧海軍では重巡洋艦につけられていた名前ですが、まぁ妥当なところでしょうか。

 

人名は使わない

来日時にトランプ米大統領は、在日米軍横須賀基地を訪問し強襲揚陸艦「ワスプ」に乗艦しましたが、その際に横須賀に停泊している修理中のイージス駆逐艦「John S McCaim(仲が悪かった上院議員の名前)」(艦尾に書いてある)のペイントを隠したそうです。

海上自衛隊の艦船には人名は規定されておらず、このような心配はありません。例外的に南極観測船「しらせ」がありますが、建前は日本人初の南極上陸である白瀬中尉由来ではなく、南極の白瀬海岸を由来としたから問題ないとしたとか。いや、そもそも海岸名が人名由来ですから・・・ある意味日本的です。

 

艦内神社 

さて、護衛艦や帝国海軍艦艇の多くは「艦内神社」があります。「加賀」「かが」どちらも石川県白山市の「白山比咩神社」が祀られています。乗員は参拝してるのでしょうね。私も地上からですが航海の無事を祈っています。