海洋立国論

安全保障・軍事について自分自身の勉強のつもりで書いています。

自衛隊の任務

自衛隊には実に多くの任務が課せられています。意外とうろ覚えだったりするので纏めておきたいと思います。

 

カリアゲ君の先軍政治の国と異なり、我が国は民主的手続きで選ばれた文民である国会(議員)が予算と法律を、国会が指名した内閣総理大臣防衛大臣自衛隊の行動を指揮していますし、重要事項は国家安全保障会議で議論します。一部の行動については国会の承認(事後・事前)を得ることが必要です。自衛隊の役割は法律「自衛隊法(略称:隊法)」によって規定されており、当然これを逸脱する事はできません。

 

自衛隊法3条1項

自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。」

とあり、第六章には「自衛隊の行動」として76条~86条で詳細に規定されています。

 

まずは3条1項にあるように

 

【主となる任務】=我が国の防衛をすること

【従となる任務】=必要に応じ公共の秩序維持にあたること(必要に応じとは、一義的には警察機構が担い、能力が不足する場合には自衛隊が補完的役割を果たす)

 

これらを、「本来任務」と呼んでいます。

 

【主となる任務】

・防衛出動

・防衛出動下令前の展開予定地域に防御施設の構築

・防衛出動下令前の行動関連処置(米軍への物品提供や役務の提供)

【従たる任務】

・国民保護等派遣

・治安出動(命令/要請)

・治安出動前の情報収集

海上保安庁の統制

・施設警護(自衛隊施設、在日米軍基地)

・海賊対処

海上警備行動

弾道ミサイル破壊処置

災害派遣

地震防災派遣

原子力災害派遣

・領空侵犯処置

・機雷除去

・在外邦人の保護・輸送 

などがあります。

 

弾道ミサイル破壊処置

北朝鮮のみならず、弾道ミサイル技術の世界的拡散は我が国の安全にとり脅威です。中国、ロシア、韓国なども我が国に到達する弾道ミサイル保有しています。そのためこれらに対処する為にイージスシステム搭載護衛艦PAC-3、レーダー網の整備を進めてきました。

武力攻撃となるなら「防衛出動」で対処可能ですが、突然ミサイル発射があった場合やその兆候が認められる場合、その段階では我が国に対する「侵略」「急迫不正の侵害」に当たるかどうかはわかりません。また、人工衛星や打ち上げ用ロケットの落下など「武力攻撃」でないものが落下してくるかもわかりません。それらに備えるための任務です。

これをさらに重層的かつ強固にしようとするものが「イージスアショア」です。(個人的にはレーダーをSPY-6を採用せず、LMSSRを採用したのには不満がありますが、アメリカの都合もあるんでしょうし政治的なものもあるようです。)

 

〇在外邦人輸送

在外邦人の輸送は以前は「付随的任務」だったのですが、「本来任務」に格上げされています。輸送方法は基本的には政府専用機(空自が運用)ですが、使用中であったり、滑走路が足りない、収容人員が不足するなどの場合に備えて、艦載ヘリコプターやC-130Hなどの輸送機、場合によっては車両も使えます。数度の改正で輸送手段は柔軟になってきています。

護衛艦ならば艦載ヘリでピストン輸送する事が可能です。特に大型の「ひゅうが型」「いずも型」などは、同時運用できるヘリも多く、収容場所、医療設備もあって適切な邦人救出ができるようになっています。

ただし、保護した人員や自衛隊員の安全確保のため、派遣する空港などの設備・管制などの安全確保がなされている事が条件です。

 自論ではありますが、政府専用機は数を増やす必要があると考えています。総理と外相、財務大臣などが別々に行動する時などもあるでしょう。その際に民間機では・・・政務に支障がでませんか?

また第3条2項には1項の任務遂行に支障をきたさない限度での任務として、

「後方支援活動」があります。

一口に後方支援と言っても多様で、重要影響事態、国際緊急援助活動、国際平和協力業務、国際平和支援、などのそれぞれの法律に基づきます。

 

例えば84条5項-3には、国連平和維持活動で、大規模災害時に活動する他国軍隊に対して物品の提供を行えますが、相手国は「アメリカ・オーストラリア・イギリス」の軍隊に制限されています。

100条6項、8項、10項には「米・英・豪」の3か国に対する後方支援活動についてそれぞれ規定しています。

 日米英豪の連携は夢のよう

先の大戦ではこの三か国相手に戦争し、悲惨なガダルカナル島争奪戦は、米豪の連絡を遮断する目的で行われました。米軍は輸送船を容赦なく沈め、日本軍は兵糧攻めになり餓死者が戦死者を上回る戦いでした。

開戦劈頭、日本海軍は航空機で英の新鋭戦艦「プリンスオブウェールズ」をマレー沖海戦で沈めました。これは作戦行動中の戦艦を航空攻撃のみで沈めた世界初の出来事で、当時のチャーチル首相がかなりキレたそうですね。

時代は変わりました。そう考えると感慨深いものがあります。

日米同盟の深化と最近ではイギリスとの防衛協力もかなり進んでいます。日英同盟の復活はなかなかあり得ないですが。

 

【付随的な業務】

これには意外なものもあります。

・土木工事受託

・教育訓練受託

・運動会への協力(大きな大会など)

・南極地域観測への協力(砕氷船しらせ)

国賓輸送

・不発弾処理 

 

余談ですが、「しらせ」を防衛省では砕氷艦文科省では南極観測船と呼称しています。建造費は文科省、運用・船籍は海自。当然軍艦旗を掲揚しており、国際法上は軍艦です。ただし固定武装はありません。

 

国賓輸送は以下の人が指定されています。

天皇と皇族 ・国賓に準ずる賓客 ・衆参両院議長 ・最高裁長官 ・内閣総理大臣 ・国務大臣 です。

陸上自衛隊ではEC-225LP 通称:スーパーピューマを3機購入、搭乗人数を減らして改装しローテーション運用し要人輸送に使用しているそうです。要人輸送用なのでさぞかし内装は豪華だろうな・・・見てみたいものです。映画シン・ゴジラではゴジラの光線で閣僚もろとも破壊されました。ショッキングなシーンでした・・・優柔不断だった総理(大杉連)が決断力を見せてきた頃だったのに・・・

 

もうね・・・ただでさえ人員不足なんです。予算はあまり増えない。人も増えない。中露韓朝など周辺国は友好国では無いため、陸自の南西諸島への駐屯地の進出、イージスアショアの設置、FFMと呼ぶフリゲート護衛艦の数も、他国との演習や任務もどんどん増える。

災害派遣を要請する場合、地方自治体の首長が「災害派遣」を防衛大臣に要請できるが、自治体は自衛隊募集に協力的でない・・・自衛隊員は降って湧いてくる訳ではないですよ。いざとなったら海外の邦人救出もするのに、基地周辺には「自衛隊No」なんて看板たてたり、ミサイルは怖いくせにイージスアショアは嫌だとか・・・

 

勝手じゃないですか?いつも書きますが自衛隊を国民が支える事は国民自らの安全を高める事です。  と・・・最後に愚痴を。(^_^;)

 

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スーパーピューマ

写真引用元:陸上自衛隊HP Googleフォトより。