海洋立国論

安全保障・軍事について自分自身の勉強のつもりで書いています。

中国は軍事強国へ

我が国が注目しなければならない国として中国は筆頭でしょう。経済・軍事・技術全ての面で我が国は遅れをとりつつあります。チャイナクオリティだとか相手を見下していた時代はとっくに過ぎ去っていて、国力では追いかける立場になっています。軍事についても同様です。確かに以前は規模だけが大きな軍隊であり、日米同盟と自衛隊の能力の前には太刀打ちできず、軍事面では中国は脅威といえるものでは無かったでしょう。

しかし、軍事予算は拡大し続けてきました。習主席の号令の元、猛烈な汚職摘発による中抜きの減少によって、不正流用が減り正規に使える予算が増えてきているのは明らかです。以前は予算規模の割に装備が貧弱であった感が否めませんが、現在は予算規模に応じた装備や研究開発が進んでいるように見られます。来年の軍事予算は前年比8.1%増の1750億ドル(公表値)で、実際はその23倍はあるとされます。この予算規模は予算の停滞する自衛隊を一気に引き離し、このままいくとアメリカのしっぽが見えるのではないでしょうか。中国は日本と比べてもGDPが倍ほど、経済成長率が4倍ほど。かたや日本は長らく減少傾向でしたが、安倍政権によって10年前の水準にようやく戻したところ。比べ物にならないレベルです。 

先ごろの中国国家主席の任期撤廃による安定的政権運営が見込めるようになって、習主席は権力争いからの開放されることとなり、軍制の改革を推し進め 人民解放軍の完全なる掌握を進めています。(軍区の再編成や指揮系統の改革など)

また、宗教面でも中国は長らく続いたカトリックの司教の任命権争いに勝利したことが報道されました。中国が司教候補を提示しバチカン側には拒否権しか与えられないことで双方合意。中国の任命する司教は、当然中国政府の意向に沿う人となるでしょうから、宗教面でも政府の統制が効くようになりました。カトリックはリベラルであるためこれを抑えることは、人権や倫理面、軍事行動での反発を抑えることができます。つまりはバチカンの敗北です。

一帯一路構想による貧しい国への進出による合法的な占領も進んでいます。インフラ整備による借款を押し付け、労働者は中国から。カネと技術は対象国には落ちず粗悪なインフラと借款が残る。対象国は結果的に中国の借金の為に中国の意向に沿うようになります。「返済を猶予するから米軍の寄港を拒否せよ」と言われれば従わざるを得ません。

日本でも北海道の土地は中国資本が買収しつつあり、ようやく問題になりつつあります。一部の国では海外資本の土地の取得を制限する動きもありますが、明らかにターゲットは中国です。

私が危惧するのはAIによる軍事面での能力向上です。AIは新しい分野であるため米国との技術差がありません。中国は早い段階で技術習得の為にアメリカなどに研究者を送りこんでいますので同じ土俵で勝負ができます。むしろ4軍ごとにバラバラな開発研究をしているアメリカより政府の統制の元で一元的に開発している中国が有利ではないでしょうか。またAI搭載によって無人化された兵器は人命を損耗しないため、使用の閾値が低くなるでしょう。

これらをさらに推し進めるためには国内の言論統制、党の統治強化、反乱分子の監視などを強化しなければなりません。

中国は米ソ冷戦を冷静に分析しており軍拡競争による疲弊を誘発することはありえないでしょう。冷戦時代、ソ連は本来は陸軍国であるのに、当時のレーガンアメリカ大統領に悪の帝国と挑発され、軍拡競争に陥り海軍に力を注いだ結果、経済が破たんしましたが、中国は長い時間をかけて着々と準備を進めています。まず経済規模を拡大させ(最恵国待遇や借款などをフル活用)次に先進的な技術の盗用(技術者派遣や留学生、海外投資や合弁)、そして国産化、大量生産、新規開発投資と進めています。政権ごとに方針が変わることは無く、共産党一党独裁だからこそできることでしょう。例えば空母を例にしてみると、ウクライナからワリャーグを購入し改修、訓練用に運用してノウハウを習得してから、国産化された通常型空母の建造を開始、原子力空母は開発を開始しました。搭載機はロシアから購入したものをリバースエンジニアリングで技術習得、ハッキングによる最新鋭技術も獲得。艦載機・ステルス機の運用を開始するまでになりました。さらに巨大市場を背景に先進技術者を海外から招へいし技術を吸収。企業買収によるノウハウの獲得を進め自国開発するという流れです。この方向は今後も変わらず戦闘機。、潜水艦、通信、空母などの装備を充実させ、運用の習熟へとすすむでしょう。そうなるとアメリカとの対立を恐れることは無くなり、覇権国家としての挑戦を始めることになります。日本はどのようにするのか。文書の書き換えごときでドタバタしているのを中国は喜んで見ていることでしょう。