海洋立国論

勉強のつもりで書いています。

平成30年度概算要求について

メモ代わりに。詳しい事はまだ発表されていないので評価で来ませんという前提付きですが。報道にあったように防衛省が「平成30年度予算案の概算要求」についておよそ5兆2500億円とする方針を決めたそうです。

新鋭イージス艦、3000トン型コンパクト護衛艦、最新の潜水艦、イージスアショア、無人偵察機グローバルホーク、新型弾道弾迎撃ミサイルSM-3Block ⅡA、などを調達するようですね。詳しい事は公式発表のあとに。

さて防衛費はここ数年の緊張の高まりと共に微増を続けてきました。2016年度の実質GDPがおよそ520兆ほどですから、GDP比1%を超えることになるかもしれません。

金額も大きく1%を超えることで反発も多くあるかもしれませんが、GNP比1%に現在は根拠はありません。昔は周辺国に配慮する意味でも政策として1%枠がありましたが、それも撤廃されていますので、「まぁ、みんなが騒ぐといけないからなんとなく守ります」的な感じです。我が国が1%枠に収めていても周辺国は全然気にしていないので、国内事情だけで考えても文句はないでしょう。

過去にも書いてはいますが他はどうなっているでしょうか。(GDP:率)で記載します。

アメリカ 17.9兆ドル 3.3%

中国 10.8兆ドル 1.9%

日本 4.3兆ドル 1.0%

インド 2.2兆ドル 2.5%

韓国 1.4兆ドル 2.7% 

ロシア 1.3兆ドル  5.3%

因みにイスラエルはGDP比10%! 東京都のGDPは1.1兆ドル!東京ってその気になれば韓国並みの軍事国家になれるんですね。

アメリカは総額でここ10年で5%程度減少していますが、中国は額で3倍、平均13%以上の伸びで急増しています。しかも推計はバラバラなうえに内容について一切公表していませんので信ぴょう性は低いですね。

日本は律儀に1%枠と言う過去の遺物的な政策を引きずっていますが、軍事の世界は正直です。ロシア、中国は急増し、北朝鮮と休戦中の韓国は財政規模に対して高額な支出をしています。周辺国(中国・パキスタン)と緊張状態が続くインドですが、空軍力と海軍力を高めており我が国以上の軍事費を支出しています。こちらも印中で一触即発状態ですので目が離せません。インドは核も持っていますので軍事大国と言えるかもしれません。

日本は北朝鮮のミサイルによる脅威、中国による先島諸島への実効支配の意志、ロシアに対する脅威にも対応しなければなりません。実は領空侵犯などの対処のための自衛隊機のスクランブル(緊急発進)については、本年度は現在まで中国は半減、ロシアは増加しています。中国に対しては米軍、英軍による南シナ海への軍事プレゼンスが増大しており、東シナ海は後回しになっているのか、北朝鮮対応で日米をあまり刺激したくないのか、最近は行動が抑制的です。

日本の防衛費は過去最大規模と言っても1%をちょっと超えるだけですし、世界標準では最下層のランクです。自衛隊員の数も充足しておらず、人員の増加も図らなければなりません。身につける装備品すら新しいものになかなか買い替えられないのは国防に従事する人たちに対して失礼だと思います。

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