オレ様的夜ネタ ~平和を守るために~

山奥で農業・林業・養蜂をしつつ、安全保障・軍事について自分自身の勉強のつもりで書いています。

安全保障について基礎から考えた

今までいろんな個別の事案を取り上げたり、兵器の解説をしたりしてきましたが、基本的な事を押さえておく必要があるなと感じてきました。

集団的自衛権の話題が盛り上がった時、「集団的自衛権」「集団安全保障」の区別がなされていない解説や論調をみかけました。それらを踏まえて基礎の基礎である「安全保障」について概要を纏めてみたいと思います。

「安全保障」は非常に多岐にわたる概念ですが、明確な定義はありません。そこで今回は「国際安全保障」についてその類型を取り上げます。

国際的な関わりを考える時に基礎となるのは「国家」です。ある国が領土や食料や文化をあらゆる脅威から保護され安定している状態が大切です。

この安定的な状態を各国間で保つため利害を調整し脅威の発生を未然に防止し、また発生した場合には協力して懲罰を加えるなど、相互依存によって安全を担保しようとする考え方です。また不安定な国家の存在は安定的な国家の脅威となる場合があります。そのようなときには不安定な国家を安定的な存在にするための行動を行います。

おおまかな類型(システム)としては以下の2型4種類です。

A)覇権モデル

  ・・・支配する大国の力(武力・経済など)の優位により秩序を維持する

 1 帝国的・・・強大な力を持つ国(覇権国)が、他国を服従させるもの

        (冷戦期のソ連が該当)

 2 民主的

  ・・・他国の合意を得て国際システムの安定をはかるもの

        (第二次大戦以降のアメリカがある程度該当)

 

B)勢力均衡モデル

   ・・・武力などの勢力が均衡しており、相互が牽制しあうことで独立を守る

 

 1 双極型・・・巨大な2国による均衡(冷戦期の米ソ)

 

 2 多極型・・・3か国以上の均衡

       (普通はこのようになるが徐々に双極型に収斂するようです)

 

余談ですが。

ドラえもんのいない世界でジャイアンが「覇権モデルでの帝国的」な状態ですが、ドラえもんが現れ「勢力均衡モデル」に変化します。

ドラえもんの世界は実に巧妙に描かれており(作者の藤子不二雄先生が意図したかは判りませんが)ドラえもんの世界は「国際関係」を非常に良く表しており、また同盟関係も集団的自衛権すらもドラえもんの世界で説明ができます。

例えば覇権国であるジャイアンスネ夫がプレゼントをします。このことによりジャイアンのいじめを自らに向けさせないようにしています。(報奨的抑止)

また背後にジャイアンがいるので、スネ夫のび太に対して厳しい態度をとり利益を得ることがあります。これはバンドワゴン(追従)と言い、強国に対抗するのでは無く追従し分け前を得るのです。

これに対抗しのび太ドラえもん(民主的な大国)と「同盟」し、のび太ドラえもんの能力を自らにまで拡大させ抑止力を得ます。(拡大抑止)

この抑止力は同居しているが故に、高い信頼性と即応性に優れています。もしドラえもんが未来の世界に存在し時折のび太の様子を見に来る程度だと、ジャイアンドラえもんが來るまでのび太を苛めて原状回復不能にすることができますが、強力な同盟である「のび太+ドラえもん」に対してはそれもできません。

のび太は道具を貸してもらい覇権国(またはジャイアンスネ夫連合)に対抗します。(集団的自衛権の行使)これにより失った利益(例えばオモチャを取り上げられた)を取り返します。

ジャイアンはもう一度のび太のオモチャを自分のものにしたくても躊躇します。(懲罰的抑止力)

 まぁ、このように例えることが適切かどうかは分かりませんが。ジャイアンは時々頼りになるガキ大将だったりしますし、困った時に助けてあげると「おお!心の友よ!」とか言って感激したります。またいくら強大だといっても、「かぁちゃん」の存在は圧倒的です。現実の世界には「かぁちゃん」がいませんが、例えるならその役割を「国連」が期待されているのでしょう。

本題に戻します。

若い方はあまりご存知ないかも知れませんが、所謂「冷戦」(米ソの対立の時期)は互いに核兵器をつきつけ合い、価値観と社会システムの異なる西側諸国と東側諸国が高い緊張状態にありました。しかし、大国同士の戦争は起きなかったのです。その間に我が国は高度経済成長をし戦後復興を成し遂げました。見かけ上はある程度の「平和」の状態でした。

しかし、覇権国であるソ連の凋落と共にこのシステムは機能しなくなり、反面、覇権国でありながら民主的なアメリカの「自由市場経済と民主主義」が正当性を得て、多くの国に支持される結果となりました。

冷戦のような勢力均衡モデルの状態は崩れると戦争になりやすいものです。勢力が強い側が弱い側を支配しようとしたり、勢力が弱い側が挽回の為にあえて不安定な世界を作りだすこともあるからです。また均衡しているといってもその力関係の測定は非常に難しく見誤る恐れもあります。冷戦終結後、世界は非常に不安定で不確実な状態になっています。

安定した世界の為に多くの研究者が研究分析し、政治は様々なレジームやシステムを生みだしています。相変わらず悲惨な戦争や紛争は絶えませんが、過去の歴史を振り返るかぎりでは確実に良い方向へは進んでいるように思えます。