オレ様的夜ネタ

自分自身の勉強のつもりで書いています。

弾道ミサイル防衛

今回は弾道ミサイル防衛についてです。

北朝鮮が毎度毎度発射したせいで、名前くらいはご存知なはずの「弾道ミサイル」ですが、まず、弾道ミサイルとは何ぞや?から。

一言でいうと「ロケットの先端部に”核”などの弾頭部をくっつけて、最初の数分間をロケットによって加速させ、宇宙空間まで高く打ち上げ、放物線を描く軌道で(野球のフライのように)目標点に落下させるミサイル」です。

発射の仕組みなどについてはここでは詳しく触れませんが、このミサイルを如何に防ぐか?を今回は解説します。

弾道ミサイルの特徴はその速度と到達高度です。

落下時は秒速.数キロに達し(北朝鮮の中距離弾道ミサイルのノドンで約3Km/S・マッハ9くらい)、発射から5分後くらいで最高到達高度に達し、およそ320km。(国際宇宙ステ―ションのISSが高度400km)
先ごろ、北朝鮮はムスダンと言う弾道ミサイルを試射し「ロフテッド軌道」という軌道に打ち上げましたが、この時の高度は約1000km。

さて、隣国の中国も北朝鮮も我が国に到達する、もしくは照準を定めている弾道ミサイルを多数(北で50以上、中国は数百)保有しています。

当然、有事や暴発に備えて防衛システムを構築しておく必要があります。その為のシステムを発射後の対応順にご紹介します。

【現状では】

1)発射を「情報収集衛星・早期警戒機・イージス艦のレーダー・地上設置のレーダー」などのセンサー群によってキャッチ。

2)即座に軌道計算を行い迎撃に適したポイントが割り出されます。

3)イージス艦搭載のSM-3 ブロック1A/1Bミサイル(保有数は32発・迎撃率80%前後)を発射します。
ミサイルの到達高度は500km~600kmなので、弾道コースの頂点付近のミッドコースで迎撃。

4)撃ち漏らしたミサイルは地上配備型のPAC-3ミサイル(348発保有)が迎撃。迎撃率は100%。

【実はこれに「在日米軍」も加わります。】

在日米軍イージス艦に搭載されているSM-3ブロック1A/1Bミサイルは45発。PAC-3は400発。

来年度以降にはSM-3ミサイルは、自衛隊が48発、在日米軍が63発とさらに増加。

因みにイージス艦ならどれでも発射できる訳では無く、イージスBMD(弾道ミサイル防衛)システムを搭載した艦のみが対応可能です。自衛隊では4艦。

【今後】
多様化し高性能化する弾道ミサイル攻撃に対応するため、さらに以下の検討・研究・実験が行われています。

1)SM-3ブロック2Aの開発と配備。

これは日米共同開発の新型迎撃ミサイルです。到達高度1000~2000kmほどで、ロフテッド軌道を描いて発射するムスダンにも対応します。イージス艦から発射します。

2)イージスアショアの配備

イージス艦に搭載されているイージス戦闘システムとBMDですが、これをそっくりほぼそのまま地上に配備しちゃおうというものです。艦と異なり機動性はありませんが、低コストで安定的な運用がおこなえます。NATOミサイル防衛システムとして、まずはルーマニアで運用が開始されました。我が国にも配備すべきだと言う意見があります。

3)THAAD(戦域高高度防衛ミサイル)システム の配備

先ごろ韓国が導入を決定したシステムで、米国以外では初。SM-3の迎撃(ミッドコース)とPAC-3(低高度)の迎撃の間を補完する迎撃システムで、発射器とレーダーなどシステムは移動式。PAC-3より広範囲で高々度で迎撃します。我が国への導入はあるのでしょうか?レーダーだけは既に自衛隊が使用しており、ミサイルの発見追尾に利用しています。

このように北朝鮮の弾道ミサイル実験によって我が国のミサイル防衛は一層高度化を加速しているようです。

弾道ミサイルはその性質上、命中精度が低いためにピンポイント攻撃が苦手です。その欠点を補うのが「核」であり、狙いを少々外しても核の破壊力でカバーする性質のものです。
その為弾道ミサイルが最も脅威な点は、「核とセットにされる」ことが前提であるからです。

これほどの備えをするという事は、一発のミサイルがどれほど危険かという事の証左ですね。

(写真は米軍HPより)

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