オレ様的夜ネタ ~平和を守るために~

山奥で農業・林業・養蜂をしつつ、安全保障・軍事について自分自身の勉強のつもりで書いています。

現代の零戦 F-2戦闘機

以前対潜哨戒機P-3Cや救難飛行艇US-2に触れました。いつかP-1やE2-C なども取り上げたいと思いますが、今回はF-2戦闘機(マルチロール機)です。(A型=単座B型=複座があります)

ワシは個人的に好きな機体ですが、先の震災で松島基地津波被害をうけ駐機中のF-2も多くが(18機)被害をうけました。生産ラインも閉鎖されており追加配備はしないことになっています。(修理中の機体は順次配備。計13機)
空自への配備は2000年からです。当初の予定は140機ほどで実際は94機の生産でした。

F-2戦闘機の源流は昭和63年ごろに次期戦闘機FS-Xとして開発が始まりました。それより以前に計画が持ち上がったころ、「日本独自開発を!」という声もあったのですが、戦闘機用のエンジンやアビオニクス(航空用電子技術)などの能力から自主開発は断念し、アメリカの名機F-16ファイティングファルコンを元に改造する事で開発費の低減や運用の冗長性、ライセンス生産による技術の取得をも目指して開発されました。
開発スタート時は「冷戦」時代でもあったため、「ソ連」を視野に置いて開発が始まりました。当時のソ連は米海軍に対抗する為、「飽和攻撃」が可能なミサイル巡洋艦を多数配備していました。アメリカは「イージス艦」の開発で対抗し始めており、日本はその観点からも「空中戦」より「対艦攻撃能力」に主眼を置くこととなりました。改造の要点は「エンジンの推力向上」「対艦ミサイルの携行数増」「レーダの高性能化」など多岐にわたったため、原型のF-16よりも一回り大きく、主翼の形状も異なり、複合素材の多用など、最早別の機体とも言える飛行機になりました。しかし主翼の成形や素材などの技術は、本家アメリカから供与を要求されたほどのものだったと聞きます。

このようにして生まれたF-2ですが、配備から15年。それでも最新鋭の戦闘機なのです。

何故かと言うと・・・一般的には誤解があるようですが、現代は映画「トップガン」などのようにクルクル旋回して背後を取ってミサイルやバルカン砲で攻撃なんてことは重要視されていません。勿論その能力も必要ですし、パイロットはその訓練は怠りません。また空自の搭乗員の技能は世界一二を争うレベルです(戦技といいます)

しかし、重要視されるのは「電子戦能力」「レーダの探知能力」「非探知性」「搭載兵装」「リンク」です。
平たく言うと警戒機や管制機からの情報をもとに、より遠くからレーダーで敵を発見し、こちらは見つからず長距離を飛ぶ命中精度の高いミサイルで攻撃する。発射後はさっさと退避するわけです。
(この観点からF-4戦闘機の後継機にF-35が選ばれました)

この点でF-2は非常に優秀です。最新鋭の電子機器のアップデートが頻繁に行われていて、戦術用のミッションコンピュータも新型に換装予定で情報処理能力の格段の向上が見込まれます。
搭載兵器としては・・・
対地用(地上目標攻撃)にGPS誘導爆弾、レーザー誘導爆弾で精密な攻撃が可能。
対艦用(戦闘艦に対する攻撃)に新型の超音速対艦ミサイルの搭載。
対空(航空機攻撃)には04式空対空誘導弾を搭載する予定です。
このミサイルは真後ろの目標に対しても撃墜可能と言われるミサイル。このようにF-2は高性能のフェイズドアレイレーダとの組み合わせで、屈指の能力を持っています。
近接戦闘(所謂イメージ通りの空中戦)能力も極めて高く、最新鋭の戦闘機に勝るほどと言われています。

冷戦構造の崩壊でこのF-2の持つ対艦攻撃力はムダになりましたが、最近は中国の海洋進出で再びF-2の対艦攻撃能力の必要性が増しており、順次改修されています。生産中止すべきでなかったという声もチラホラ。
「バイパーゼロ」とか「平成のゼロ戦」とか言われますが、ミリオタ間では「対艦番長」と呼ばれます。
美しい機体形状と日本独自の洋上迷彩。まだまだ現役であり続けます。

しかし、中国は軍事予算を激増させ「第五世代」戦闘機を開発しています。運用する機体も順次新型に切り替えつつありますし、数も激増しています。
人民解放軍の幹部が公に「日本は敵国」「近づいたら攻撃する」と頻繁に口にする今の状況を鑑みると、現在の空自の配備では心許ない。独自開発の「第五世代制空戦闘機」や「F-35」の早期導入と配備、搭乗員の錬成と増員はやむを得ないのではないでしょうか。航空優勢があってこそ制海権を確保し高い抑止力となるのです。
(写真は自衛隊装備品ギャラリーから)

自動代替テキストはありません。