オレ様的夜ネタ ~平和を守るために~

山奥で農業・林業・養蜂をしつつ、安全保障・軍事について自分自身の勉強のつもりで書いています。

抑止力としての潜水艦(1)

海上自衛隊 最新鋭潜水艦 そうりゅう型「SS-502 うんりゅう」

現在の日本の海の最大の抑止力は「潜水艦」です。
日本には原子力潜水艦はありません。(事情はお察しください)
ですので、そうりゅう型も「通常動力」潜水艦ですが、動力機関はディーゼルエンジン」「AIP(スターリングエンジン)」「モーター」の3種類搭載されています。
殆どが自主開発であり最高機密です。(一部装備はライセンス生産あり)
しかし、世界最高の技術力と運用能力を誇ります。(他国の評価も極めて高い)
(演習で鉄壁のガードを誇る、米空母打撃(戦闘)群の中に潜り込み、魚雷を当てた(訓練ではピンガー・探信音)ほどの腕前とされています)

通常型は軍事大国アメリカでさえも、ロストテクノロジーであり、原潜を運用できないある西側国からは、我が国に技術供与を求められています。
(第三国への技術流出の恐れはあります。それを防ぐためには関係各国での十分な協議が必要ですし、自国の法整備も大切です)

艦体はソナーによる探知を防ぐため、吸音タイルが貼られており、艦尾の舵もX型になっています。これによりボトム(着底)時の舵の損傷を防ぎ、高い操舵性を維持しています。
通常型の戦術潜水艦としては最大規模の艦体を持ち、世界最高と言われる静粛性と高性能を誇ります。(潜水艦は隠密性が命です)
通常型に比べると、原子力潜水艦は原子炉の騒音が大きく、また冷却水の排水が高温な為、探知され易いのです。

また、日本には中国・ロシア・アメリカ・イギリスなど多くの先進国が保有している「弾道ミサイル」などは搭載されていませんし、勿論「核ミサイル」も搭載されていません。
攻撃兵器は「魚雷」「対艦ミサイル」です。
(何が言いたいかというと防衛はできても他国への侵略・報復攻撃などできないということです。)

ま、アメリカでさえ、運用コストの問題などで「弾道ミサイル搭載戦略原潜」は少しづつ退役(改修)されてきています。
それでも、中国などは戦力を増強し、核ミサイルの照準を日本に向けており、命令があれば攻撃可能です。(そのことを公言もしています)

実は艦の性格上多くの性能は極秘です。可潜深度、水中速力、潜航時間・・・
狭く閉塞された艦内で乗員は過ごすことになり、長期間にわたり過酷な任務が続きます。
原子力潜水艦なら、その膨大なエネルギーで水から酸素を作れますが、通常型はそれもなかなかできません。ですのでシュノーケルを使用したりしながら換気をするのでしょうが、劣悪な艦内環境であるようです。
(どちらにしても原潜に比べて長期の任務は無理です)

一歩間違えば、脱出することもできないまま沈む事もあり得ます。
でも、ルールを無視し主権を侵害するような事態に備え、水中でひっそりと頑張っています。
この抑止力は強力で、「いつどこで攻撃されるか分からない」のでは、コストの高い大型戦闘艦艇は運用しにくくなります。たった1発の魚雷で1000億円以上の艦が人員とともに失われる・・・これは「抑止」になります。

「抑止力」とはこのような見えないところでも運用されています。

建造には1400社前後が関わっているとされていますが、(主契約は三菱・川崎で交互に受注してきましたが、民主党時代に流れが変わり種々の問題が発生しています) 技術者やドックなどの維持・能力向上は続けなければ、失った技術はかなりな期間において取り戻せなくなり、「抑止力」は低下します。 これは戦後、ロケット・飛行機の開発を進駐軍が禁じた結果を見ればわかると思います

現実世界は経済力、軍事力、それを背景にした交渉と取引。しかし、常日頃からの交流と相互理解努力。どちらも必要です。 そう考えれば、昔の一方的な強者による、弱者からの収奪が正義(正当)とされた時代からは一歩すすんだのかもしれません。

(※写真は海上自衛隊ウェブサイト「装備品ギャラリー」から引用しました SS502うんりゅう)