海洋立国論

勉強のつもりで書いています。

中所得国の罠を突破した中国

▼ARC-21 15日に日米仏の共同訓練が公開されました。 離島防衛・奪還作戦を念頭にした実践的なものであり、対中抑止を念頭に置いたものです。日本の本土で陸自・米海兵隊・仏陸軍が合同でおこなう初の軍事演習であり、鹿児島沖では3か国海軍に豪海軍も加えた…

これが中国のやり方か!

中国・Lijian Zhao 赵立坚 (中国外務省情報部スポークスマン) の公式ツイートが以下の画像。 よりにもよって、日本が誇る「葛飾北斎・富岳三十六景・神奈川沖浪裏」を、コラージュした画像で、日本を貶めようとしている。 「富士山」を「原発」に、「船」…

菅外交と台湾問題

最近の動きを時間順に振り返り考えます。 2020/11/12 第23回日・ASEAN首脳会議 インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)で、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を支持したうえで、国際法を尊重したパートナーシップ強化を…

英国女王 来日予定。

以前にも軽く書きましたが、イギリスの空母クィーンエリザベス(打撃群)が横須賀に向けて航海することが正式に決まったようです。 5月下旬に出航し、ジブラルタル海峡、スエズ運河を経てインド洋、マラッカ海峡を通過、南シナ海を経て在日米海軍横須賀基地…

中国を舐めたらアカン!

戦前の世界(欧州)は軍事的にバランスを取る勢力均衡によって平和を維持し、第二次世界大戦で日本とドイツという挑戦国を退けたのちアメリカは、日独を同盟国として取り込んでロシアに対抗しバランスをとってきました。 広大な国土ゆえに戦略的に縦深性が高…

弱点は日本かも。

自己中心的な行動で迷惑な中国ですが、各国軍隊はそれなりに対抗しようとしています。 もはやアメリカ単独では中国を抑えることはできないのは明白ですし、米軍関係者からもそのような声が聞こえてきています。 日米豪印英加などとの連携をすすめ、中国も署…

「散る桜残る桜」―甲飛十期の記録― より

【最後の紫電改パイロット】 2021年1月9日ー 「最後の紫電改パイロット」笠井智一さんが94歳で亡くなられました。 この事に因み、最初は乗機だった局地戦闘機「紫電改」や「紫電」、それらの原型となった「水上戦闘機・強風」を取り上げようと思ったのですが…

令和の日英同盟

本年も長文をお読みいただいた方、ありがとうございました。更新ものんびりのブログですが、来年もよろしくお願いします。 【日英同盟破棄から100年】 日本は1921年(大正10年)ワシントン海軍軍縮会議において日英同盟を廃棄しました。それから丁度100年。…

あの戦争をなんと呼ぶべきか

今年も12月8日がやってきます。毎年この日には何かを必ず書くようにしています。 まず社会の歴史の時間みたいですが、時間軸を一旦整理してみます。学生時代には歴史の授業が嫌いだったんですけどね。 1931(昭和6年) 9/18満州事変 1937(昭和12年)7/7 …

祝!新型護衛艦進水

2020/11/19 三井E&S造船玉野艦船工場において進水した、新型護衛艦(30FFM)は「くまの」と命名されました。「熊野川」に因んで命名されました。艦番号は「2」ですが、「1」より先行して進水した2番艦です。その為、通常なら1番艦進水時に「○○型」とネーム…

5年以内に習金平は台湾を目指すかもしれない

何度も書いていますが、台湾の吸収は中国の核心的利益です。国民党の面影すらも無くさなければなりません。 香港返還後にイギリスとの約束を反故にして一国二制度も無くそうとしているのも、中国が支配されていた負の歴史を清算し共産党が唯一正当な政権とな…

茹でガエルニッポン。

中国の軍事力については多くの報告や分析がありますが、まずはデータをおおざっぱにいくつか纏めたいと思います。 防衛省「防衛白書」、米国防省「中国の軍事力2020」、CSIS戦略国際問題研究所(米・シンクタンク)CSBA戦略予算評価センター(米・シンクタン…

台湾侵攻

2019.12.11に「中国は覇権国家を目指す」と題してざっくり書いたのですが、それから8か月。終戦記念日を迎えるにあたり、また李登輝氏の死去もありましたので、中国について改めて書いておこうと思います。 【止まらぬ中国】香港の国家安全法、台湾への恫喝…

コロナと周辺安全保障

新型コロナウイルスの影響で、世界中で経済が縮小し自粛と都市閉鎖まであってこの先の不安感は半端ないですね。そんななかでも、我が国の周辺の安全保障環境は厳しさを増しています。弱り目に祟り目、泣き面に蜂ですし、水に落ちた犬は叩け(毛沢東)とも言…

病院船は不要なのか(過去記事再掲)

コロナウイルス騒ぎで「病院船」が少し話題になりつつありますが。 当ブログでは既に2017/08/16「病院船は不要なのか」と2018/6/17に「病院船マーシー寄港しましたね」で考察をアップしていますので、再掲しておきます。(文字色やサイズ等の改変はしていま…

反射衛星砲?

宇宙戦艦ヤマトというアニメは有名だと思いますが、ヤマトが太陽系脱出の最後の難関が敵役・ガミラスの前線基地である冥王星基地。地球とって脅威である冥王星基地を無視せずヤマトは攻撃を行います。 その際に登場するのが「反射衛星砲」という、オトコゴコ…

中国は覇権国家を目指す

▼習金平の指導力 「中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現」・・・これは習金平総書記が就任した時に目標として掲げた言葉です。 絶対的権力者である彼の言葉はそのまま中国の国家運営方針となり、そのなかで「核心的利益」を5つ掲げてその点に関しては…

12月8日。

毎年12月8日は、「先の大戦」(大東亜戦争・太平洋戦争)について考えます。 なぜ開戦に至ったのか? 一体何を得て何を失ったのか。 一般的に帝国海軍は開戦に消極的であり、帝国陸軍が積極的であったと解釈されています。また、海軍は「インテリで理性的…

国際法と平和構築

国際法には国際条約(人権、環境、経済など)と慣行の積み重ねによって認知された慣習国際法があり、平時国際法と戦時国際法に大別されます。 本来は非常に複雑な議論が必要なのですが、専門家ではないのでそこはまぁざっくりと解釈してます。 国連憲章13…

令和元年度観艦式は中止でしたが

海上自衛隊は3年ごとに「観艦式」と呼ばれるものを実施しています。 観艦式とは最高指揮官や君主、元首が自国海軍の艦隊を観閲するものですが、国際的に決められたルール、目的、手順がはっきりとある訳ではありません。ここでは日本を中心にしています。 …

災害派遣で活躍するUH-60J

災害派遣今回の台風19号は各地に甚大な被害をもたらしていますが、今回に限らず自衛隊に都道府県から災害派遣要請があった場合に駆けつける多くの部隊の映像が流れます。そのなかで、ヘリコプターで被災者を吊り上げて救助している映像を見かけます。それ…

2018年の軍事費について

スウェーデンとSIPRI ストックホルム国際平和研究所(略称SIPRI)という、軍事関連を主な研究としている国際的に評価も高いシンクタンクがあります。 所在地のあるスウェーデンは北大西洋条約機構(NATO)非加盟で軍事非同盟を政策の基本として、おおむね中…

孤立化する台湾

【台湾の孤立化】 2016年5月時点(蔡英文総統就任時)では、台湾と正式な外交関係を結んでいる国は22か国ありましたが、中国の外交的・金銭的圧力によって減少し、16年12月=サントメ・プリンシベ(赤道ギニア近くの島国)、17年=パナマ、18…

戦艦・大和(後編)

大和の後半生を見ていきます。 【世界最大の巨艦就役】 ハワイ真珠湾攻撃時にはまだ就役していなかった大和ですがその後すぐに就役、翌年2月に連合艦隊旗艦になりました。兵器としてはもはや無用の長物であり貴重な燃料を食うわりに低速な巨艦。 しかし威容…

戦艦・大和(前編)

実は大和については詳しく書いたことがありません。 では、何故今になって書くのかというと・・・私も数年前に行きましたが、最近、友人が「大和ミュージアム」に行ったからです。 まぁきっかけなんてそんなものでしょ。(笑) 大和ミュージアム 【男のロマ…

GSOMIA破棄について

GSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄について 2016年に締結した機微な軍事情報を扱うための協定ですが、この協定はもっと前に俎上にあがった事があります。 その際に締結直前に韓国側が一方的に交渉を中止。4年ほどの期間を経て、西側の結束を訴えるアメリ…

東京オリンピックとインパール作戦

なぜインパール作戦のことを書こうと思ったのか? それは最近「東京オリンピック」を「インパール作戦」になぞらえる人のSNS投稿を見たからです。いつかは書こうとは思っていましたが良い機会?なので (^_^;) インパール作戦のことを知っている人は多いと…

アルキメデスの大戦

本日、映画「アルキメデスの大戦」を観てきました。(ネタバレになってはいないつもりです) 端的に良い映画でした。フィクションですが、そうであったかもしれないと思わせる良い脚本、田中泯さんの渋い演技、浜辺美波さんの古風な可愛らしさ、ストーリー展…

日米同盟の意味(続編)

6月27日にアップしました「日米同盟の意味」の続編です。 前回、「日米同盟は双務性がある。トランプ大統領の言う不公平であるという指摘はあたらない」といくつか理由を述べさせてもらいました。 また、安全を守るジレンマ「同盟のジレンマ」(2017/10/0…

救難飛行艇US-2に女性機長が誕生!

女性機長誕生! US-2救難飛行艇。 海上自衛隊が運用するこの飛行艇に、この度初の女性機長(岡田2等海尉)が誕生しました。素晴らしいことですね。自衛隊の女性進出には目覚ましいものがありますが、この機会に個人的にも大好きなUS-2という飛行艇を振り返…