海洋立国論

勉強のつもりで書いています。

安全保障論

安保三文書ー平和を考えた

安全保障において良い戦略とは、自国に有利な状況を作ることによって、戦争という破滅的な状態を回避するものであるので、戦争が生起した時点で最良の戦略とは言えない。平和な状態では無くなるからだ。 ただし戦争に勝つ事の重要性が低くなるわけでは無い。…

もう2か月ですね。

今回の侵略も2か月を超えましたね。よく持ちこたえていますが、ここで若干のまとめとして。 《ウクライナ公式ツイのやらかし案件》 4月1日にTwitterの@Ukraineアカウントが動画を公開しました。 その動画ではファシストと戦う意思を表明しているものでし…

中国を舐めたらアカン!

戦前の世界(欧州)は軍事的にバランスを取る勢力均衡によって平和を維持し、第二次世界大戦で日本とドイツという挑戦国を退けたのちアメリカは、日独を同盟国として取り込んでロシアに対抗しバランスをとってきました。 広大な国土ゆえに戦略的に縦深性が高…

国際法と平和構築

国際法には国際条約(人権、環境、経済など)と慣行の積み重ねによって認知された慣習国際法があり、平時国際法と戦時国際法に大別されます。 本来は非常に複雑な議論が必要なのですが、専門家ではないのでそこはまぁざっくりと解釈してます。 国連憲章13…

日米同盟の意味

G20直前、トランプ米大統領が「日米同盟は不公平だ」と言ったとマスコミではニュースになっていましたね。相変わらず面白い人ですね。 日米同盟は非対称 確かに、日米同盟は非対称です。アメリカは日本の防衛義務を負いますが、日本は集団的自衛権の範囲を超…

アメリカは中国の脅威に対抗する

アメリカは中国の脅威に対抗する事を決意したように思えます。 興味深いレポートが2つあります。 ひとつは、米国国防長官府が出した年次報告書の「米国議会への中華人民共和国に関わる軍事・安全保障上の展開2018」であり、もうひとつはアメリカのシンクタ…

軍事力の使い方の分類

「軍事力」と言ってもその使い方がいくつかに分類されています。今回はそのうち「抑止」「強要」を概観します。 多くの研究がされており言葉の定義やその範囲など細かな点では不一致がみられるものの、大まかにはほぼ同じようですが、この分野では2005年…

防衛産業は経済に貢献するか

安全保障は国家の義務 国の所得=消費+民間投資+政府支出+純輸出 が基本で 、防衛費は政府支出ですが、この政府支出が「公共投資」であるなら、インフラ整備などに使われたりしますので、民間投資を呼びこみ再生産する活きたお金になります。それによって…

”狂犬”マティス国防長官の辞表

あまり時事ネタ的なものは書かないのですが、どうしても書きたいネタができたものですから。 先ごろアメリカのマティス国防長官が辞表を提出しました。これに対してトランプ米大統領は「更迭」の形をとることにして、マティス国防長官の希望する2019年2…

3種類のパワー

Yahoo!ニュース 「【ロンドン時事】スウェーデンの首都ストックホルムを訪れた中国人観光客に対する警察の処遇が「人権侵害」だとして、中国がスウェーデン政府を非難し、外交問題に発展している。(時事通信)」 という記事を読んでいて思いだしたものがある…

ルールオブエンゲージメント

戦いのルール ルールオブエンゲージメント(Rules of Engagement・以下ROE)とは、いわゆる交戦規程と言われるものです。(自衛隊呼称は部隊行動基準) これは軍隊などがどのような事態の時にどう行動するのか、武器使用はどこまで認められるのかなどを詳細…

原子力潜水艦がいいな・・・(1)

以前にも書いたのですが、私は「空母保有」については基本的に反対です。 それよりも・基地の抗堪性強化・早期警戒機の増勢・潜水艦戦力の増勢が優先であろうと考えています。そのうえで原子力潜水艦の配備が最も効果的であると考えていますが、我が国では空…

そうだロシアだ。

このブログにほぼ登場した事が無いのがロシア。 中国、北朝鮮との軍事的摩擦がニュースの大半を占めていますが、ロシアにはもっと注意を払わなければなりませんね。全く不勉強で詳しくはないのですが、それでも幾つかの課題は感じています。 ソ連の崩壊以降…

欲しいもんめっちゃ買う。

選択肢が無い国政選挙が行われるのがこの国の最大の不幸だといつも思います。 一昔前なら「戦争をする気か!」と社会党あたりが大騒ぎしていたんでしょうが、現在の野党は全く力不足。「もりかけ」で個人攻撃してる暇があったら、現状をちゃんと勉強して分析…

中国と北朝鮮

北朝鮮の脅威と中国の海洋進出。これに対応するため色んな動きが出てきた昨年ですが、これからどうなるのでしょうか。 ==中国== 中国は最大の貿易相手国であり、いわばお隣さんですから必要以上に緊張感を高めるのは得策では無いですし、友好関係を深め…

国連の限界

北朝鮮問題で・・・ 北朝鮮関連で危機管理能力、抑止力、法整備などが問われています。しかしおそらく多くの日本人のイメージでは国家間のイザコザを調整するために存在するはずの「国連」(英語名はUnited Nations 、直訳すると連合国となりますが日本では…

輸送量は大切ですね

自衛隊は勿論完璧ではありません。どのような組織であっても、いくつかの問題点が存在しますので、それへの対処は非常に重要です。 しかし問題点を指摘されていてもその当時の状況(人員・予算・緊急度など)に応じて問題解決の優先順位がつけられ対応してい…

力の真空

「力の真空」という言葉をご存知でしょうか。 簡単に言うと「軍事力の無い、若しくは極めて小さい」地域や国のことをこう呼びます。 これは過去の例をさかのぼるとよく判るのですが、「真空」地帯は紛争や戦争が極めて起きやすいのです。 真珠湾攻撃 我が国…

安全を守る「安全保障のジレンマ」

前回の同盟のジレンマに続き今回は「安全保障のジレンマ」を取り上げます。 「安全保障のジレンマ」は経済学のゲーム理論で有名な「囚人のジレンマ」というモデルを応用したものです。 例えば日本が自衛の為に自衛隊の強化や能力の拡大をする、日米の同盟関…

安全を守るジレンマ「同盟のジレンマ」

衆議院が解散され選挙が近づいてきました。近年は争点として「安全保障」がとりあげられることも多くなったように思います。個人的にはたまには任期いっぱいで解散をみてみたい(-ω-) 今回は安全保障の大きなテーマである「同盟のジレンマ」についてです。も…

核の効能

前回、かなりおおざっぱに、核兵器の歩みを取り上げましたが、ではなぜ核兵器(とその運搬手段)はこれほど必要とされているのかということになります。 名目は「抑止」です。核兵器は変わった兵器で「相対性」がありません。どういう事かというと、例えば同…

核の年表

もうすぐ日本にとって大切な日がやってきます。そうです。8月6日と9日です。広島と長崎に原爆が投下された日です。勿論人類史上、核攻撃はこの前後にはありません。そこで核について振り返ってみたいと思います。 日本の核保有論も取りざたされますが、その…

安全保障について基礎から考えた

今までいろんな個別の事案を取り上げたり、兵器の解説をしたりしてきましたが、基本的な事を押さえておく必要があるなと感じてきました。 集団的自衛権の話題が盛り上がった時、「集団的自衛権」「集団安全保障」の区別がなされていない解説や論調をみかけま…

不安定化する世界のなかで

EUは現在非常に不安定になっています。 イギリスがEUを離脱しようとしており、移民問題とテロの頻発で大揺れになり、地中海を隔てて北アフリカ、中東からの移民やISやイスラム原理主義の脅威、ロシアのウクライナなどで見られる強行な態度に脅かされてい…

抑止力の分類

「抑止力ガー!」と最近報道でよく耳にしますね。 では抑止とはどのようなものなのでしょうか。 大別して現在は3種類あるとされています。懲罰的抑止と拒否的抑止と報償的的抑止です。 懲罰的抑止とは、「やられたらやり返すぞ。戦争を始めたら受けて立つ。…

自衛隊の不都合な現実

安保関連法案について世間では賑やか。 神学論争してる人はほっとく。戦争法案と名前を勝手に書き換える人もほっとく。感情論の人もほっとく。事実のみを考える。(今回は中国を想定) 自衛隊の基本戦略は「専守防衛」です。 専守防衛とは、日本(自衛隊)だ…

最強の攻撃兵器は何?

【核兵器(弾道核ミサイル)】 確かに弾道核ミサイルは現状では破壊力の点で最強です。 でも、国家間の戦争では、まず使用されません。 以前にも書いた相互確証破壊戦略が有効な国同士は使えません。 そうでなくても、現在の核は自国にとっても莫大な被害を…

自衛隊の実態は

今回は、数字によって表現したいと思います。我が国の自衛隊の実態はどのようなものなのか?です。 今までのネタもそうですが、ワシの思考が好きなパターンは、現実の数字に基づき、できるだけ現状を把握し、そのなかで取りうる最善手を探します。理想論・感…